弦の張替え

バイオリンの弦を張り替えた。なんとなく音が冴えなくなったような気がしていたが、音程は安定していたので、ずっとそのままにしていた。が、検索すると3カ月で張り替えるものだという。そこで、さっそく張り替えることにした。

張り替えるにあたって、いくつか注意した点は、ブリッジを倒さないこと。苦心して立てたブリッジなので、位置を動かさないよう、1本づつ張り替えていこうと思ったが、妙なところで力が入ったせいで一度倒してしまった。調整のし直しである。買った直後にさんざんいじったので慌てはしなかったが。

新しい弦を徐々に巻き上げていくのは、けっこう怖い。正しい音程に近づくにつれて、こんなに強く張ったかなと心配になった。一応全部の調弦を終えたが、なじむまで落ち着かない感じだ。すんなりと大きな音が出るようになった弦もあるが、上滑りするようになった弦もある。
また、惰性で弾いていたので気が付かなかったが、気持も新たに弾いてみると、右から1.2.3の弦の高さに差がなく、2番目(Aの音)の弦を弾くときに他の弦を触りやすいことに気がついた。そういうふうにブリッジを削ってしまっていたのである。カントリーなどでチャカチャカ速弾きをする人は、あまり肘を上げなくても隣の弦に移りやすいので、そんなふうに調整する人もいるらしいが、1音ずつ性格に出さなければならない初心者には不利かもしれない。そのうち削り直すかもしれない。

張り替えると音はそれなりに明瞭になった。かすれるような音も、弦にロージンがよくついてなかったせいらしく、そのうち普通に音が出るようになった。同時に楽器自体の限界だろうけど、バイオリンというよりハーモニカかアコーディオンのような音色になった。が、さしあたりこれなら十分である。あたりまえのことだが、弦は時々はりかえたほうがいい。

餃子鍋の使い方/水煎包


前回紹介した餃子鍋は、餃子以外にもいろいろな使いみちがある。例えばこの水煎包、または生煎包(いずれも発音は不明)などは、家庭でもすぐできて便利だ。レシピは肉まんのやり方をそのまま探してくれば良い。水煎包の場合も薄力粉か中力粉のほうがうまい。あまりふくらまず、団子のようになってしまうこともあるが、もともと中国の家庭の肉まんはそんな感じだ。コンビニの肉まんはふかふかでお菓子のようだが、食事にするなら団子っぽいほうがいいと思う。
イーストの入った生地で小さな肉まんを作り、鍋に並べて餃子と同じように蒸し焼きにする。仕上げには長ネギのみじん切りをふりかける。家庭で肉まんはあまり作らないかもしれないが、包み方は餃子より簡単だ。また、1個のサイズが餃子より大きいので、数をたくさん包まなくてもいい。ちなみに焼き上がりにネギのみじん切りを振るのは非常に良いアイデアで、普通の餃子のときにもネギを振って仕上げると、さらに風味がよくなる。
この水煎包を「焼き小籠包」と表示することがあるが、本当の小籠包は、生地にイーストを入れず、練っては寝かせを一週間ほど続けて作る、ゴム膜のように伸びる特殊な生地なので、水煎包とは全く違う。

餃子鍋(山田工業所製)/餃子づくりの秘訣

我が家でかれこれ30年は使っている鉄製の餃子鍋がある。今ではアマゾンでも手に入るが、当時は横浜中華街の調理器具専門店「照宝」で買った。アマゾンのレビューは私が書いたものなので、鍋についてはそこを読んでほしいが、とにかくこれを使うと餃子の味がいい。プロ用を小さくしただけのものなのだから当然なのだが。

さて、そういう鍋を使い続けた中から編み出した、餃子づくりの秘訣を公開しよう。

その1.粉は薄力粉か中力粉
味が落ちる上に値段が高く、しかも時間もかかる既製品の皮など論外である。薄力や中力を使うのはデンプン質が多いから。粉の旨味はデンプンによるもので、タンパク質には全く味がない。薄力粉の弱点は冷めるとパサつくことだが、熱いうちに食べてしまうのだ。

その2.熱湯をかけて小麦粉の腰を殺す
粉に熱湯をかけるとデンプンがアルファ化し、伸びがよく包みやすくなる。サラダ油かラードを加えてもいい。水餃子の場合は水で練るが、伸ばしてもすぐ縮んで作りにくい。白菜を具材にする家なら、下ごしらえに白菜を茹でて絞った汁を沸かし直して、湯の代わりに使うと味が良くなる。熱湯をかけて練った皮は、包む時に水をつけなくても指でつまんだだけで綴じ目が塞がる。伸ばすときや包み終わって皿などに並べておくときにも、打ち粉がいらない。この辺に余計な作業がないので、市販の皮よりは早く出来上がるのである。

その3.具材はなんでも良い
肉なら豚、牛、鶏、羊なんでも良いし、魚介類でもいい。中国の家庭では、ニラと炒り卵だけの場合もある。よく長ネギか玉ねぎか、白菜かキャベツかという議論があるが、鍋が良いと、味は違うだけでどっちも美味い。

その4.包み方

●真ん中から包む方法

●端から包む方法

●両手で一気に包む方法1番目は見栄えがよく、具の納まりが良い。2番目は日本では一般的だが、包み終わりで具がはみ出したりしがちだ。3番目の包み方は握ってポンで、はいできあがりだ。家庭ではこれがいちばんいいかもしれない。

その4.具は平らに
皮の上に具を乗せるときは、山盛りにせず、真ん中を平らに均すこと。山になってると包む途中で中からはみ出してくる。平らであれば具の厚みがあってもたいてい包みきれる。もしかしたらこれが餃子包みの最大のノウハウかもしれない。また、具がはみ出て綴じ目部分に油がつくと、焼いてる最中に口が開いてしまう。具がはみ出しそうになったら、皮を引っ張って伸ばし、強引に包み込んでしまう。これができるのも、伸びのある自作の皮ならではだ。
中国人から見るとおかしいらしいが、日本では餃子をおかずにご飯を食べる。伸びのある皮にたんまり具を詰め込んで、パンパンにふくらんだ餃子は、文句なしのおかずだと思う。

ちなみに動画を探したら、中国でも市販の皮を使ってるらしいが、本場なら、日本人が市販品を使うのを、鼻の先で笑うくらいでないといけないと思う。海外でも日本の焼き餃子が少しずつ知られているらしいが、何年か後に、知名度が逆転してしまうかも。