今年はなにかと大変な出来事があったが、それでもなんとか無事で大晦日を迎えることができた。
ところで、海外のクリスマスソング集には、なぜか「蛍の光」が入ってる。もともとはスコットランド民謡の「オールド・ラング・サイン」といい、別れの曲というより、昔を懐かしむ曲らしい。スコットランドでは準国歌で、誕生日などでも歌われるらしい。もともと西洋のクリスマス・シーズンは正月まで含まれていて、ツリーもその間飾っておく。その辺のニュアンスがちょっと違うので、日本人が考えるように別れの場で歌われると限ったものではないのだろう。本家を聞いてみるとメロディは、蛍の光そのものだ。
さて、別れと言えば、デパートなどの閉店時や連絡船の出港には蛍の光が流れ、なんとなくわびしい気持ちになるが、実はあの曲は蛍の光ではなく、「別れのワルツ」という、三拍子の別の曲である。聞けば、ああ、これこれと思うだろうが、正統派蛍の光と比べると、たしかに三拍子と四拍子の違いがある。また「蛍の光」の歌詞は卒業そのもので、すべての別れのシーンには合わない。今まで蛍の光=別れの曲と思っていたのは、本当はどっちだったのだろう。ちなみに別れのワルツのほうはよくわからないが、オールド・ラング・サインと蛍の光はパブリック・ドメインである。