Take the ‘A’ Train

まさかのA列車がパブリック・ドメイン!てっきりデューク・エリントンの作曲だと思って、確かめもしなかった。(エリントンは1997年没のため、作曲者の死後50年という、権利保護期間内)が、これはビリー・ストレイホーン(1912-1967)に依頼した曲だった。新春第一回にふさわしい、ビッグタイトルのご紹介である。

ただし、こういう場合にパブリック・ドメインといえるのかどうか、専門家ではないので責任は持てない。特にアメリカは、TPPで著作権保護期間を70年に延長しようとしてる、とも言われているので、油断大敵である。ともあれ、この曲は作詞作曲ともにストレイホーンなので、今回は歌詞まで掲載してしまおう。

You must take the “A” train
To go to Sugar Hill, way up in Harlem
If you miss the “A” train
You’ll find you missed the quickest way to Harlem

Hurry, get on, now it’s coming
Listen to those rails a-thrumming all aboard
Get on the “A” train
Soon you will be on Sugar Hill in Harlem

You must take the “A” train
To go to Sugar Hill, way up in Harlem

You must take the “A” train
To go to Sugar Hill, way up in Harlem
If you miss the “A” train
You’ll miss the quickest way to Harlem

Hurry, get on board, it’s comin’
Listen to those rails a-thrumming all aboard
Get on the “A” train
Soon you will be on Sugar Hill in Harlem

Harlem, boy
Next stop is Harlem

Next stop, Harlem
Come on, get aboard the “A” train

Get aboard
Next stop is Harlem
Take the “A” train

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自動運転用の、人工知能開発を手伝うことになった話

ついにおかしくなったと思われても仕方のないタイトルだが、自動運転に関する研究と開発が、メーカーの研究所だけでなく我々の身近でも行なわれていて、しかも知らないうちに協力しているという話。

さて、ウェブサイトに問い合わせしたり、自分のアカウントにアクセスする場合に、下記のようなチェックをさせられたことはないだろうか。
これは機械が読み取りにくい文字を入力させることで、アクセスするのがプログラムではなく人間であることを確認するためのものだ。では最近、同じような確認画面で下記のような画面が出るのに気がついただろうか。
9つの画像のうち、「道路」だけをクリックさせるもので、目的は上のものと同じ、人間であることを確認するためのもの。標識だけをクリックさせるなど、いろいろなパターンがある。実はこの認証作業が、車の自動運転を行う人工知能に、道路環境を覚えさせるための教育になっているという。

複雑な要素が絡み合う公道での運転は、そう簡単に自動化できないし、あまり安易にやってほしくないところだ。また、人間がプログラムしたところで、あらゆる場合を想定した反応を用意することはできない。そこで、自動運転用の人口知能を開発して学習させるための人工知能を作り、人間が直接タッチせずに、新しい人工知能の開発とテストを繰り返させている。その一端が上記の認証システムだそうだ。

無数の人間が、アクセスの際の認証作業をすることで、同時に人工知能が交通環境を学習させる。人工知能を作っては廃棄し、より高度な判断力を持ったものを育てていくらしい。こういう風に人工知能に場数を踏ませて学習させることを、ディープラーニングというらしい。我々個人が日常的な操作を通じて、自動運転実現の鍵を握っているというのが今回の偉そうなタイトルだ。

発展したシステムは理解不能なブラックボックスになりやすいが、開発のごく初期は、単純でわかりやすい事柄からスタートする。いつか自動運転が登場しても、当初いろいろな事故を起こして、その犠牲の上になんとか使えるものができるのではないかと考えていたが、どうやら開発者はそのへんも読み込み済みだ。ちゃんと地に足の着いた、地道な作業から手がけているらしい。

潜没潜水艦を発見

まずは、防衛省の発表から。

潜没潜水艦及び中国海軍艦艇の動向について(第1報)
1月10日(水)午後、海上自衛隊第6護衛隊所属護衛艦「おおなみ」(横須賀)及び第5航空群所属「P-3C」(那覇)が、宮古島(沖縄県)の東北東の接続水域を北西進する潜没潜水艦を確認しました。
その後、当該潜水艦は引き続き北西進し、1月11日(木)午前、宮古島の北北東の接続水域から出域、東シナ海に進出しました。さらに、当該潜水艦は1月11日(木)午前、大正島(沖縄県)北東の我が国接続水域に入域したことを確認しました。

潜没潜水艦とは、水中に潜んでいる潜水艦のこと。隠れて攻撃ができる戦闘状態にある、ともいえるが、「ありゃ、発見されちゃったの!?」と、世界中で大笑いするところでもある。

潜水艦の特長は隠密行動だ。海中はレーダーも電波も使えないので、一旦潜ってしまったらまず発見できない。アンテナの先でも水中から出さない限り、味方と連絡を取ることもできない。だからいきなり東京湾に浮上して、誰にも邪魔されずにミサイルをぶっ放すこともできる。
その代わり、一旦発見されたら非常に弱い。味方にさえ見えてないのだから、発見したという発表をしないで、そのまま撃沈してしまっても誰も文句は言えない。次に無線連絡をしてくるまでどこで何をしているのかわからないのだが、その連絡が永遠に来ないだけだ。
どこの国の潜水艦か発表してないところもポイントで、もちろんあの国だとわかってはいるのだが、「どこの誰か知らないが、潜水して近づくととんでもない目に会うぞ」と警告しているわけだ。

日本海は、日本の潜水艦作戦の独壇場だ。大分昔に海上自衛隊の幹部の講演を聞いたことがあるが、日本海で何処かの潜水艦が潜望鏡を上げたら、その瞬間戦闘機と護衛艦が駆けつける体制ができているそうだ。とにかく潜水して航行する潜水艦は敵なので、冷戦時代は、米ソを問わず、潜水艦を見つけ次第追いかけ回して相手の音を録音し、ソナーを当てて追い払っていたという。レーダーの使えない水中では、潜水艦の発する独自の音が頼りなので、それを録音されてしまうと自分の動きが筒抜けになってしまう。さらにソナーを当てるというのは、魚雷の狙いをつけたぞということだ。

発表では11日午前中に発見とあるが、間違いなくそれよりずっと前に見つけていただろう。日本の潜水艦が後を尾けていたかもしれない。日本の潜水艦といえば、こと日本海では乗員の技術は世界一なうえ、世界で一番深いところから発射できる魚雷も持ってる。そして対潜ミサイルや魚雷をたっぷり積んだ護衛艦まで加わって、まる1日追いかけ回したのである。某国の船員は、生きた心地もしなかっただろう。丸裸にされ、背中からバンバン威嚇射撃をされながら逃げ惑うようなものなのだから。