着物の着付け、レンタルの「株式会社はれのひ」が、成人の日の当日、計画倒産した。まだ容疑の段階だが、ウェブサイトまでERRORになっているというのは用意周到としか言いようがない。大抵この手のスキャンダルは、ウェブサイトにまで手が回らず、通常の営業案内が表示されたままになるからだ。
まったくとんでもないヤツだが、当然顧客は全員がネット世代だけあって、まずSNSで拡散。すると、着付けの出来る人やレンタルきもの店、美容師などが集まってきて、数百人という被害者を助けたそうだ。悪い意味でも良い意味でも、大人の洗礼を受けた日として、生涯忘れることができない思い出になっただろう。ネット上ではそれだけではなく、経営者の顔写真、住所、興信所のデータらしき会社の情報、役員のFACEBOOK、さらにはバックにいるとされる新興宗教の名前まですべて公開されている。すごい時代になったものだと思う。高飛びしたかもしれないが、むしろ逃げ続けてるほうが、本人が大変なことになるんじゃないだろうか。
Month: 1月 2018
除夜の鐘迷惑騒動
年末のニュースで、除夜の鐘がうるさいという苦情で中止になったお寺の話があった。そこでちょっと地図とストリートビューで調べてみると、こんな具合だった。
さすがにこれではうるさいだろうと思う。壁一枚挟んだとなりで鐘を撞かれるようなものだ。
鐘は力ではなく、撞木という丸太を吊って、後ろに引いておいて、戻る勢いで撞く。手を離しただけでもそれなりの音になるよう、長年の工夫が施されている。
以前私が育った寺の鐘楼で古くなった撞木を取り替えたことがあったが、ほんの少し吊るす位置が変わっただけで音が変化した。お寺の鐘というのはそういう調整もしてあるので、音を小さく鳴らすのも難しい。
そこで考えたのだが、撞木の先にタンポをつけてはどうだろう。タンポとは布をくるんだてるてる坊主のようなものだ。鐘の音がうるさいのは打撃の瞬間のインパクトなので、これでうるささは大分柔らげるはずだ。しかも白い木綿の生地を108枚重ねて結わえ付けた状態で撞くのである。
その後タンポの布に1枚1枚寺の朱印を押して、煩悩を撞ききったお守りとして販売するのである。今回問題になったことで知名度もあがったろうから、108枚くらいすぐに売れるし、寺の伝統行事になるかもしれない。
寺というのは百年、二百年という単位でものを考えなくてはならず、法律で解決がつけば終わりというわけにはいかない。法律や国家だってどうなってるかわからないような未来でも、生き残らなければならないのだ。一石二鳥、災い転じて福となすようなお手本を見せなければならないと思う。