早いもので、激安バイオリンを買ってこのブログを開始して3年が経った。とうてい上達したとは思えないが、当時の自分が聞いたら、バイオリンを弾ける人だと勘違いしたかもしれない、というほどにはなったと思う。わずか8千円の激安バイオリンは流石にひどい音になってきたので、3周年を機に新しいものを手に入れた。だが、激安も十分役に立ったと思う。
60歳を過ぎて楽器を始める人は少ないかもしれない。そういう人は若い頃に何かしら経験がある人で、全くの初心者というのは珍しいのかもしれない。とはいえ、これまで楽器に無縁だった高齢者でも、興味が無いわけではないようだ。私がバイオリンを始めたというと興味を持つ人が多い。また、音楽が嫌いという人もほとんどおらず、たいてい好きなジャンルやファンのアーチストがいる。だったら、その音楽を自分でやればと思うのだが。
私のバイオリンは我流だ。ちゃんと弾ける人が見たら音以前に、だめなところがいっぱいあるはずだ。今の所誰かに披露する機会はないが、もしあるとすればきっとボロクソに言われるだろう。それでやる気を無くしてしまうかもしれない。でも「バイオリンプレイヤーを目指したが、才能の限界を感じて挫折した」なんて、むしろかっこいい。「青春」とか、「若気の至り」という感じがするぞ。ふふふ...。
天皇陛下は車の運転がお好きで、古くなった庶民的な車で、時折皇居の中でだけ運転を楽しまれると聞く。恐れ多い例えだが、私のバイオリンも、そんな感じで弾ければいいなと思う。年をとると、これからやることや起きる出来事のすべてが、一生に関わる事柄となる。いや、これは子どもの頃だって同じで、日々何をするか、何が起きるかは実は全部一生の問題だったのだ。そのへんはもっと早く気がついていれば良かったのかもしれないが...。ともあれ私にとっては、バイオリンを弾ける爺さんで死ぬか、ただの爺さんで死ぬかは、大きな違いだ。
