座蒲(ざふ)

僧侶が座禅を組むとき、お尻の下に敷く楕円体のクッションである。けっこう硬いので、上に乗ると拳ひとつ分位腰が浮き、すっと背骨が伸びて膝や背骨の負担を減らしてくれる。足もしびれない。
これを敷いて座禅を組むのが正しい使い方だが、実は床に座って長時間作業する人にはうってつけの道具なのである。疲れにくいし、疲れたら座蒲を枕に、寝てしまうこともできる。
しかし、もっと便利なのがダラダラと寝ながらテレビを見るとき。硬い枕として使うと首の角度を決めやすいだけでなく、ご贔屓のタレントが出てきたときには、さっとお尻の下に敷いて結跏趺坐すれば、まさに心眼で見るがごとく集中して眺めることができるのだ。

最近はこういうものまでネット上で買えるし、作り方まで見つけることができるが、体重がかかるものだから、高くても法衣仏具店で取り寄せてもらったほうがいいかもしれない。

ちなみに以前禅宗の関係者の前で、ダラダラテレビの話をしたらちょっとイヤな顔をされたので、内緒で使ったほうがいいだろう。