Amazing Grace/リハーモナイズ

リハーモナイズとは、元の曲のコードを作り変えて自分なりの音楽にすること。渡辺貞夫が名著「ジャズ・スタディ」を書いてから、いろいろなコード理論の本が出版され、また、ネット上にも教則サイトがあるが、これがなかなか難しく、私も挫折した口である。コードに新しい音を付け加えると、新たな名前のコードになる理屈はわかるものの、単音の楽器では音色を確かめようもないし、鍵盤楽器で試しても、曲の流れの中でどう使うかが分からない。半信半疑で出した音は、汚い和音にしか聞こえなかったりする。

Amazing Grace 6パターンのリハーモナイズ

ここで紹介するのは、名曲Amazing Graceを、シンプルな3和音から複雑なコードを駆使した演奏まで、6通りに作り変えてみたものである。有名アーチストのスタイルをなぞったものもあるらしいが、原曲の中からコードの違いを聞きとることは難しい。こんなふうに、メロディに対してシンプルにコードを弾いてくれて初めて違いがわかる。もちろん、なんとなくでしかないが。
リハーモナイズされた曲調に対し、アレンジを加えて歌い上げるシンガーがまたうまい。ジャズやポピュラー音楽は、歌手やリード楽器だけが個性的な演奏をしているのではなく、和音を担当する楽器パートも、演奏の個性を作り上げているのだということがあらためて伝わってくる。。

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ボヘミアン・ラプソディ/犬のおまわりさん

「グッチ裕三withグッチーズ」による、いま話題の名曲の替え歌。かつてNHK教育の子供向け番組「ハッチポッチステーション」から生まれた演奏を、再び収録し直したものだという。

もともと歌の上手い人だったが、いかにも歌いにくそうな曲を、66歳で歌いこなしている。替え歌の歌詞がまた秀逸で、当時NHKの番組スタッフが6カ月もかけて完成させた作品だと、コメントにあった。ストーリー性の強い原曲に負けず、全く違うストーリーを組み込んでみせた力作である。笑うより先に、感心してしまった。

プラスチックの時代

プラスチック製の楽器というのがあるらしい。電子楽器は樹脂製の本体をあえて形を変えていることが多いが、素材がプラスチックになっただけで、形は普通の楽器と変わらないものもある。

トランペット

トロンボーンとチューバ

サックス

高度なことはわからないが、そうおかしくないような気がする。ブラスバンドの屋外での使用や海での演奏では、かえって良いのかもしれない。もっともメーカーのパブリシティもあるようだが。

ヴァイオリン

管楽器に比べると、プラスチック製のヴァイオリンの動画は少ない。あっても炭素繊維のものや3Dプリンタ出力のもので、プラスチックは評価されてないのかもしれない。数少ない動画の一つがこれだが、プラスチックがどう思われているかは、最後に登場するおじさんが物語っている。
楽器がなんであれ、上手い人はいいなという話につきるが。