李子柒 / 栗

今回の李子柒は栗。 タイトルの板栗とは、中国北部で取れる品質の良い栗の品種。昔から天津の港に集められて日本に出荷されてきた。いわゆる天津甘栗である。日本人にも馴染みの深い栗なのだが、栗ご飯ではなく、見たことのないようなメニューに仕上げてゆく。

栗を拾う時はイガごと踏んで、中身だけ持っていくのかと思ったら違った。また、ドングリも拾って、粉にして「ういろう」のようなものを作った。もしかしたらドングリではないのかと思って 「橡子 」を検索すると、やはりドングリ。ただし中国語のwikiでは、そのままではタンニンが強くて苦いが、砕いて水に晒すと大変に美味しいとあった。まさに今回のメニューである。日本では食べないような気がするが、地域によって違うのだろうか?栗よりたくさんとれそうなので、飢饉の時などには助けになったと思うのだが。
それにしてもいつもながら山の幸と新鮮な野菜の、健康的な食卓だ。動物蛋白に、烏骨鶏の丸煮込みまである。贅沢だなあ。長生きするんだろうね、あのお婆さん。

Lover come back to me

シグマンド・ロンバーグ(1887 – 1951)作曲の、日本でも人気の名曲。邦題は「恋人よ我に帰れ」(我に返れ、ではないのでご注意)で、以前紹介した「朝日のようにさわやかに」と同じ作者である。
こんな有名な曲をまだ紹介していなかったなんて!パブリック・ドメインは、著作権の理屈も複雑で、正直どこで探したらいいのかよくわかっていないので、こんな風にうんと古くてうんと有名な曲にで食わすと本当に嬉しい。さっそく動画を探すと、北村英治さんの演奏があった。(失礼ながら)まだご存命かななどと思いながら日付を見ると、なんと2017年。88歳のステージである。

クラリネットは一度だけ吹いてみたことがあるが、なめらかな音色に似合わず、実に息の苦しい楽器だ。楽器は1日練習を休めば取り戻すのに3日かかると言われる。まして高齢者なら、1日の遅れを一生取り戻せないかもしれない。それをワンステージこなすのだから、おそらく今でも毎日練習を続けているのだろう。そう思ってみると、広い肩幅と胸の厚さは、到底88歳とは思えない。
ちなみに演奏中に管の中に布を通して水を拭き取っている。サックスでも欠かせない手入れ法だが、演奏者以外の人には珍しい光景かもしれない。

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コードカード

私はヴァイオリンの練習のときに楽譜を見ない。まだまだ指の位置や弓の角度に目を光らせてないと変な音が出てしまうので脇見ができないのと、音符を読みとって即座に指を動かす、というような運動神経もない。メロディや運指を頭に入れてしまわないと何もできない人間なのだが、曲の流れというかコードの構成だけは知りたくなる。コードからちょっと装飾音を作ったり、できることならアドリブにつなげたいからだ。
そこで曲のタイトルとコード進行だけ記したカードを作ってみた。 カードはコンビニのプリントサービスでハガキに印刷するとちょうど良いように作ってある。止め方は、洗濯ばさみの挟み口部分にゴムのついたものがあったので、傷がつかないようにペグに取り付け、つまみ部分にカードを置いて両側からネオジム磁石2個で挟んだ。

撮影:エドウィン・ダン記念館(札幌市真駒内)

たあいもないものではあるが、曲のキーを何にしたら運指がスムーズになるか、いくつか探しだしたコード進行のうち、どのハーモニーが気に入ったかなど、自分なりの調査・研究の成果でもある。また、タイトルとコード進行だけなら著作権に抵触しない(多分?)ということで、例によって少々お恥ずかしいしろものだが、こちらに「テネシーワルツ」のコードカードの原本を置いておく。気に入っていただいてダウンロードしていただければ幸甚である。