香港のデモが一向に収束の気配を見せない中、臨時政府が宣言されたという。これは事態の解決というより、軍の出動の口実となりかねない危険を含んでいる。そんなことを考えながら、ふと、いつも香港の中継映像に登場する歩道橋はどこだろうと、Googleストリート・ビューを見て驚いた。

そこにはデモの様子が映し出されており、路上でスローガンを書いた看板を立て、テントを張って泊まり込む、無数のデモ参加者の姿があった。私はデモ参加者の目線から彼らの間を縫って歩き、また360度見渡すことができた。
ただしこれらは、撮影日を見るとどれも2014年の雨傘革命の時のもの。ちょっと気が抜けたと同時に、5年前から解決どころかエスカレートしている香港の問題の大きさを考えた。そして、こうやって世界中が現場を見ている中でなら、かつての天安門事件のように、軍の出動と鎮圧だけで終わらない可能性も高いと感じた。


