NTTが迷惑セールス?

NTT東日本お客様センターを名乗るセールスの電話が、携帯に入った。携帯番号は固定電話と違って公開してないはずなので、即座に詐欺と考えて切った。だが通話履歴には、相手の番号は0120998328と出ていて、調べると確かにNTTのサイトにそういう番号が載っていた。それでは、NTTが私の携帯番号を調べて迷惑メールをかけたのか。

そこでさらに検索すると、実際にNTTに問い合わせて、詐欺であるとの返答をもらったケースを見つけた。となると、相手の携帯に表示される番号を、自分のものではなく、任意の番号に変える方法があることになる。これもまた調べてみると、携帯からセールス通話をかける際に表示される番号を、フリーダイヤルなどの固定電話番号にすることで、相手がかけ直してくる際に通話料を負担させないサービスがあるようだ。ただしこれはNTTのものではなく、一度別の交換機を通すことで発信者の番号を変えるものらしい。

そうなると今度は、設定する「別の発信者番号」に、無関係のものを勝手に使えるかということになるが、これはむしろ登録する番号が間違いなく本人のものであることを確認する仕組みのほうが難しいので、なんとでも設定できるのだろうと思う。

こうしてなんとか詐欺の魔手を逃れ、NTTへの信頼も損なわずに済んだのだが、やはり失点はあった。相手が「XXX様の携帯電話ですか?」と言った時に「はい」と言ってしまったのだ。これで番号と所有者名が確定されてしまった。いや、そもそもかかってきた段階でバレバレだったのか?あーあ、めんどくさい時代になったなあ!

今日はバレンタインデー

今日はバレンタインデー。もうちょっと若い人なら、中高生時代のうれし恥ずかしい思い出かも知れないが、私はもうちょっと世代が古い。女の子をチヤホヤする文化はあっても、知らない人からプレゼントをもらうというのは、違和感を感じてしまう。「知らないのはお前だけで、みんなもらってたぞ」と言われるかも知れないが。

バレンタインといえば、O・ヘンリーの短編小説「よみがえった良心」の主人公、ジミー・バレンタインを思い出す。名うての金庫破りだったジミーは、改心して真面目に働き、婚約者もできるが、刑事はそれを信じずにつきまとう。そして結婚式の日取りも決まったある日、子供が金庫に閉じ込められてしまう。ジミーは婚約者に別れを告げて金庫に向かう。
原作を知らなくても、シチュエーションを変えて小説やドラマで何度も焼き直されたので、馴染みがあるのではないだろうか。 O・ヘンリー の作品は、ややもすれば子供向け読み物に分類されてしまうが、すぐにでも映画にできそうなプロットが素晴らしい。名だたる文豪よりも好きな作家だ。

ということで、誰にでもできる金庫破り動画をどうぞ。学生カバンにチョコレートを隠してハラハラドキドキの女の子たちにも、こんなふうに簡単に彼氏の心が開きますように。がんばれ、恋の勝者はただ一人、運命やジンクスを信じるのは負け犬だ。ウソでもイカサマでも、使いこなして女を磨け!

それにしてもこういう動画を公開していいのだろうか。そして、400万再生もされてるが、社会の治安は大丈夫なのだろうか。

天然鯛焼き

鯛焼きには天然ものと養殖物があり、天然は一匹ずつの焼き型、養殖は数匹分を一度に焼ける型を使うと言われているが、違いはそれだけではない。その昔、鯛焼き屋を開店するには、最初に木型屋で鯛焼きと全く同じ形の木彫りの元型を一つだけ彫った。これを鋳物工場に持ち込んで焼き型を作るのだが、元型が一個なので一個ずつの焼き型しか作れない。その代わり、木型を彫る段階で、店主は使う材料の原価や姿形の好みを職人と相談して作るので、焼き上がった鯛焼きも、そのお店だけの形になった。
天然物の焼き型は、木彫りの微妙な彫り跡がそのまま再現され、仕上がった鯛焼きも、鱗の一枚までキリッとした、粋な姿になる。そして、焼き型が壊れたり、商売繁盛で規模拡大する場合には、この木型からまた焼き型を造る。なので元の木型は非常に重要で、お店では丁寧に包んで神棚に置いておいた。

これに対して養殖物の焼き型は、数個いっぺんに焼くために形が崩れやすいので、最初からそれを見越した単純な造形になる。天然はお寺や和室の欄間彫刻のようだが、養殖はマンガっぽい姿になってしまう。さらに焼き型自体も大量生産で、合羽橋などで養殖用の型を買ってくれば商売が始められるので、全国の鯛焼き屋が全く同じ形の鯛焼きを売っていたとしても不思議はない。

また、材料や味もちょっと違ったようだ。天然物は焼き上がりの姿を大切にするので、皮はほぼ小麦粉と水で、あまり膨らまない。そのタネを焼き型のすみずみまで薄く行き渡らせ、鱗の先端までシャキっとメリハリをつける。固く、パリパリになりがちな皮を、できるだけ薄くし、アンコの湿気を吸わせて柔らかく焼くので、姿が良く、尻尾までアンコのつまった鯛焼きが出来上がる。
養殖物の場合は型が単純で失敗が少ないので、皮に卵やベーキングパウダーを入れ、カステラ状の生地を作って、ふくらむ力で尻尾まで形を造る。また、こういう生地なら、コストのかかるアンコを少なくできるというメリットもある。

何人もの職人の技があって初めてできる天然物だが、残念ながら、北海道では札幌市東区の柳屋以外は絶滅したと言われている。