李子柒 / 小麦

今回の李子柒は小麦。

ありふれた素材からどこまでバリエーションを作るかはこの動画シリーズの見せ場だが、さっそく麦わら帽子が来た。おなじみの唐竿(からさお)で叩いて落ちてこない未熟な穂は家畜に与える。収穫した小麦は発芽させて生のままきざんでおかゆと混ぜ、一晩置いてデンプンを糖分に変え、それを濾して煮詰めて麦芽糖にする。さらに砂糖や氷砂糖を混ぜてべっこうあめと、空気を入れながら伸ばして引き飴を作る。

我々のよく知る小麦粉を使うのはこの後だが、すぐ麺や餃子にはならない。小麦粉団子を水中で練ってデンプンを流し出してグルテンを作る。いわゆるトリモチの作り方だが、これを蒸せば生麩、オーブンで焼けば焼き麩になる。デンプンのほうは沈殿させて蒸し上げてクズキリ状のものを作る。この上にタレと生麩を乗せて一品が完成。小麦粉をわざわざ麩とクズキリに分けてから、また合わせて食べるのは不思議な感じだが、中国では珍しいものではないそうだ。
さらに小麦粉生地を揚げてシロップを吸わせて麻花児(マーホアル)、オーブンで焼いて焼餅(シャオピン)を作る。

最後はようやくおなじみの麺と肉まん。包子の蒸し上がり具合を見ると、粉は中力粉ではないかと思う。ちなみに強力粉を使うとコンビニの肉まんのようにフカフカになるが、味のないタンパク質が多いので味は劣る。家庭で作ってその場で食べるなら、デンプンが多くて味の良い薄力粉のほうがいい。また、中国人に肉まんをごちそうになると、動画のように肉を詰められるだけ詰めて作るが、大抵の日本人は皮が美味しいと言う。中国人からすると、貧相で客に出せないような皮の厚い肉まんが、日本人の好みだ。
麺は小麦の芽で緑色に染め、トマトソースで煮込む。まるでイタリア料理だが、違うのは麺の硬さ。医食同源の中国人は、アルデンテは「消化に悪い」と一蹴するらしい。

ドナ・リー

アメリカで猛威を奮ったコロナウィルスは、いろいろなジャンルの著名人もその犠牲になっている。ジャズのアルトサックス・プレイヤー、リー・コニッツもその一人だと知った。ジャズ喫茶でかかる曲の定番で、良い意味で白人らしさのあるプレイヤーという印象だった。ご冥福を祈りたい。

リー・コニッツは多くの作品も残しているが、パブリック・ドメインになるのはあと50年(法改正したから70年?)後なので、本人の演奏を選んで見た。

ドナ・リーはチャーリー・パーカー(1920-1955)の作曲。ということになっているが、レコーディングに参加したマイルス・デイビス(1925-1991)が、自伝の中で自分の曲だが、そのままにしたと語っている。マイルスがOKだと言うのだから、これはパブリック・ドメインである。

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パーカー・ソーラー・プローブ/5度目の観測へ

5月9日、パーカー・ソーラー・プローブはこれまでで最長になる観測をスタートさせた。過去4回の観測で、太陽風が従来考えられていたより遠くで発生していたことがわかったため、今回はより遠い位置から観測機器を作動させたものである。
観測は6月28日まで続けられ、データは6月下旬から8月に地球へ送信。11月に公開される予定だ。

※世の中どこもかしこもコロナ一色なので、それとは全く無縁の話題を選んだつもりだったが、太陽だけにちょっとだけコロナと縁があった。