楽器家紋 / 「巴洋琴」

伝統的なものだけでなく、身につけた人間の生まれ育った風土や専門分野、趣味をモチーフにした家紋、時代性を盛り込んだ家紋があったら楽しい。それが家紋という日本独自の文化の拡大発展につながるようなら、なお面白いと思う。そこで楽器をモチーフにした家紋を考えた。第二弾は巴洋琴。

ピアノの和名は洋琴だそうだ。グランドピアノの向きを変え、いわゆる巴型に組み合わせたら、家紋らしくて収まり良く仕上がった。あまりいじくらずに簡単にできてしまったので、なかなかお気に入りである。

グランドピアノを個人で持っているという人も、いなくはないだろうが、我々がお目にかかるのはもっぱらホールなどだ。日本のホールには、地方都市でもグランドピアノが置いてあり、メーカーを選べるところもある。しかも常に調律済みなので、世界中のピアニストに評判がいい。

ソヴィエトの崩壊後、政府のバックアップがなくなった音楽家がこぞって来日するようになった。そしてホールの音響設計の良さと調律されたピアノがあることに、喜んだという。その後日本では、地方都市でも世界的音楽家の演奏会が開かれるようになった。日本からの生徒を優先的に受け入れる巨匠や、世界ツアーに日本人調律師を同行させる巨匠もいたという。クラシック界のことなのでよくわからないが、世界的コンクールに入賞する日本人も増えたはずだ。地味な仕事を丁寧にこなし、評価を得るというのはいかにも日本人らしいエピソードだと思う。

ところで最近のコンサートでは、横っ腹にデカデカとメーカー名のついたグランドピアノが登場する。メーカーとホールのウィンウィンはわかるが、ピアノの形や音色で分かる人もいるだろうし、プログラムに書けば済むことである。アーチストの芸術世界が主役なのだから、脇役は奥ゆかしくしててもいいんじゃないだろうか。

どうなる?コロナと札幌雪まつり

コロナが鎮静化する気配を見せないまま、来年はオリンピックより雪まつりのほうがずっと先に来てしまう。公式WEBによれば、2月4日から8日間、開催の予定である。思えば今年の雪まつりは、コロナ時代の開幕戦だった。実力もよくつかめないまま、なすすべもなく猛攻にさらされ、早々にダウンも奪われた。その後コロナは日本はもちろん、アメリカをはじめ世界を席巻した。その雪まつりがまたやってくるのだ。

今年は、全国に先駆けて非常事態宣言という、この歳で初めて経験する事態になった。思えばあれがテストケースだったのかもしれない。都市部で人の動きや商売を規制したらどうなるか、その後全国で相次いで発せられた非常事態宣言は、北海道の事例を参考にしたはずだ。

政府は来年3月からワクチンの接種を行うという。オリンピックに合わせてのことかもしれないが、雪まつりには間に合わない。公式WEBでは、大雪像の制作をやめて規模縮小して開催するという。どの国の観光客を解禁し、何を規制するかといった、今できることの延長だけで対応することになる。少々モルモットっぽい気もするが、国も「札幌さん、がんばってね」だけで済ますつもりではないだろう。これまでの防疫ノウハウをつぎ込んでくれるとは思うのだが。

札幌市民だけ早めにワクチンを接種してくれる、という具合にいかないかなあ...。

まさに「北風と太陽」...って、太陽勝っちゃう?

日本は自殺大国・・・という嘘

日本が自殺大国という話を聞いたことがないだろうか。多分マスコミからだろうが、いつのまにやら当然のことのように思っていたのだが。

これは1950年以降の、世界の自殺者ランキングである。これを見ると、戦後一時期日本が世界一になったことがあるのは確かだが、私のような年寄から見ても、子供時代にはすでにベスト10からはずれ、大人になってからはランキングからも外れている。ゼロでないのは痛ましい話ではあるものの、とてもじゃないが「大国」と言えるほどじゃない。

実際に私の周囲を見渡しても、年寄はしたたかで、若者はクール。災害が起きようが逆境にあろうが、ユーモアを忘れないようなタフな人ばかりだ。マスコミの話題作りのための印象操作だったのだろう。全く一文にもならんつまらないことをするものだと思う。