蝦夷家紋 / 「違い唐黍」

日本の家紋には動植物から自然現象、家財道具まで様々なモチーフがあるが、北海道にちなんだものはない。開拓使設置から150年以上経つのだから、北海道にちなんだ家紋があってもいいと思う。そこで将来、伝統的な家紋に紛れ込んでくれることを期待して、蝦夷家紋を作ってみた。第三作は「違い唐黍」である。

私は常々、「とうきび」はトウモロコシの北海道弁ではなく、おいしいほうのトウモロコシのブランドネームだと言ってきた。他県の方には申し訳ないが、最適な環境でで作られ、万全の流通で届けられる北海道産とうきびの旨さには、誰も異論はないだろう。その違いは誰でもわかる。だから「違い唐黍」というわけではないが。

家紋で「違い」というのは「交差している」という意味だ。「違い」と名付けられた家紋で有名なのは、忠臣蔵の浅野家の「違い鷹の羽」だろう。今回はその意匠を参考にさせてもらった。時代劇などでもおなじみだろうが、本当の赤穂浅野家の紋はちょっと違っていて、左に倒れているほうが手前になっていて、羽根全体に渦巻のような模様がある。今回は、重なり具合だけ浅野家風に倣ってみた。深い理由はないが。

甘くておいしいトウキビは、品種で言えば「スイートコーン」だが、世界的に最も多く栽培されているのが飼料用のデントコーンである。昔は十勝などでよく栽培されていて、うろおぼえだが、スイートコーンより草丈が高く、実も大きかったように思う。そのほかにも、赤や紫などの実がモザイク状に交じるワキシー種や、ポップコーンになる爆裂種など昔ながらの品種から、遺伝子操作で生まれたバイオ燃料用品種まで、多種多様である。

Sweet Georgia Brown

Ben Bernie(1891 – 1943)の作曲。

パブリック・ドメインになる曲はどれも古いので、聞いたことはあるが曲名と一致しないものが多い。この曲もそうだ。また、自分が知らない曲は紹介しない、現代人にもなじみやすい新しいアレンジのものを選ぶなど、自分なりのルールを作ったものだから、だんだん候補が少なくなってきた。

今回の動画は、CHAD LBというサックスプレイヤーで、いろいろな相手とネットでセッションしたものをアップしている。動画の相手は「USジャズ大使」。これは特定のグループではなく、アメリカ国務省が世界各国へ音楽で交流を図るために派遣するチームで、これまでもルイ・アームストロングなど有名ジャズメンが参加している。今は陸軍のバンドのメンバーがその役目を担っているようだ。

コロナ騒動以降、ネットセッションの動画が公開されているが、実はそれらはリアルタイムではないそうだ。zoomなどを使えばネットを介した会議を開くことはできるが、これは会話だから可能なのであって、どうしてもタイムラグがあるせいで、音楽どころかジャンケンもできないらしい。だからネット上に公開されているものは、事前にテンポなどを綿密に打ち合わせてバラバラに収録した動画を、編集で合成しているものらしい。
そんなふうにネタばらしされてしまうとちょっと興ざめだが、この春、YAMAHAがリアルタイムでネット・セッションができるシステムを発表したらしい。流石である。

その昔、私はハリウッドで活躍するCGアーチストのネットセミナーを受講していた。動画時代の前だったので指導はメール中心だった。そのころには音楽関係でネットで受講できる機会はなかったと思う。今はネット上に有名プレイヤーや実力派の指導者から、直接指導を受けるチャンスがゴロゴロしている。その上一緒にセッションできるようにもなるというのだから、今楽器を始める若い人は幸せである。

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