楽器店のレンタルスタジオで、ブルース・ヴァイオリンの一人特訓をしてきた。一昨年ころからカラオケ特訓を考えていたのだが、もう少しうまくなったらなどと思っているうちに、コロナ騒動が始まり、カラオケは自粛の風潮になってしまった。一人だからかまわないだろうとも思ったが、名指しで自粛しているものを禁を破る度胸はなかった。そこで楽器店のスタジオに変えたのである。
スタジオは6畳間くらいのスペースに、ドラムセットとアンプがある防音室である。持ち込んだmp3プレイヤーのバック演奏を流しながら、1時間のロングプレイに挑戦した。いつもはせいぜい10分かそこらでやめてしまうので、途中でへばるかと思ったが、とりあえずなんとかなった。ヴァイオリンは演奏ポースを続けるだけで大変なので、途中からだんだんおかしな格好になってきたが、このへんは今後の課題である。
課題はそれだけではないものの、とりあえずバック演奏をスピーカーから聞けたのが良かった。これがヘッドホンでは自分の出した音が聞き取りにくく、急かされているような気分になってしまう。なにより演奏中にヘッドホンがずれたり、コードが腕にからまったりしないのが快適だ。私はヘッドフォンとの相性が悪く、すぐコードを踏んでぶち切ってしまう。それで何個壊したことか。なくてはならないものではあるが、好きか嫌いかで言えば、大嫌いだ。
バック演奏は、ギターアンプを通して流したが、はるか昔に見たアンプとほとんど形が変わっていないように思えた。詳しいわけではないので、おそらく性能的にはずっと向上していると思うのだが。また、スイッチを切るときはボリュームを下げてからと言われた。これまた昔もそんなことを聞いた覚えがある。色も黒だけ。似て非なるジャンルのオーディオ機器は、デザインもとりどりだというのに。もしかしたらアンプというのは、ピアノやヴァイオリンと同じく、楽器とみなされているのかもしれない。
棚も壁も、楽器やアクセサリーで埋め尽くされた楽器店の空間は居心地がいいものだ。音楽の好きな人、楽器に愛着のある人しか入ってこない空間である。誰にでも彼にでもマニュアル・フレンドリーな店と違って、要件には正確に答えるが余計なセールストークもない。専門店っていいなあと、つくづく感じた。(※実際行ったのはしばらく前で、記事は予約投稿してあったもの。ここだけ読むと、コロナ第4波の最中のように聞こえるので、念の為)
