監視カメラ

中国で街頭の監視カメラの台数を増やし、AIによる顔認証システムで監視を強化すると発表した。

常にカメラで監視されるのは良い気分ではないが、果たして監視する側にとってそれほど有効なのか、昔から疑問だった。映画などでは、味方さえも信用しない冷徹な秘密組織のボスが、無数のモニター画面の前に立つ、という場面がよく出てくる。が、これではボスはトイレにも行けず、肝心の悪事を働く暇も、栄耀栄華を極める暇もなくモニターを見続けなければならない。
また見落としなく万全の状態で監視するとしたら、一人がチェックできるモニター台数は限られてくるし、1日中見張ろうと思えば3交代体制が必要だ。監視カメラを増やしても、運用のコストが莫大になってしまう。さらに、動画は動かぬ証拠とは言え、逆にターゲットの無罪を証明する証拠になってしまうかもしれないし、ハッキングされでもしたら取り返しのつかないことになる。

そこでAIの登場だ。AIを使えば監視人数をずっと減らすことができるし、モニターさえ不要になる。なんならカメラも本物ではなく、ダミーでいいだろう。必要なのはごく普通のPCとプリンター。キーボードで「怪しいと思う人物」の名前を打ち込むと、プリンターからその名前が印刷されて出てくる。これを持って押しかけてしょっ引けばいい。とやかく口答えしても「AIが判定したのだ」と、問答無用で押し通せる。そういうことなんじゃないかな。

click finger discipline

タイトルは私の造語なので意味不明だと思うが…。

IT犯罪が激増している。先日も北朝鮮製のウィルスによって、250億円が強奪されるという事件があった。250億円は大金である。企業の信用失墜は図りしれず、担当者、責任者の進退にも関わるだろうし、かなりな大企業でない限り事業の存続も危なくなる。責任を思い詰めて…ということもないとはいえないから、これは人命にさえも関わる問題だ。そして、被害の撲滅を目指すなら、新しいシステムを組み込んだり、厳しい訓示を垂れたりするだけでは十分とはいえない。我々年寄りは、まず「体に叩き込む」ことを考える。

マウスのクリックボタンは実に押しやすい位置に配置されているが、安易なクリックが重大な被害につながるという点で、銃の引き金に似ている。そして銃を扱うプロは、発射の瞬間以外は常に引き金から指を離しているよう、最初に体に叩き込まれる。これを「trigger finger discipline」(引き金の指のしつけ)というらしい。

そこで、少しでもIT犯罪の引き金をひいてしまわないよう、マウスのクリックボタンから常時指を離しておく、いわば「click finger discipline」を体に叩き込むのはどうだろう。実際にためすと非常にぎこちなく面倒だが、クリックする前に指を入れ替える一動作が大事なのだ。つい触ってしまったり、流れでクリックしてしまったりが少なくなる。さらに言えば、自分以外の誰かがやらかして被害が出た場合、当然犯人探しが始まるだろうが、自分は日頃からこうしていると言えば、容疑者リストから早くはずされるかも知れない。

ちなみに企業のシステムに大規模な被害というから、デスクトップPCの場合しか考えなかったが、スマホならどうだろう?やはり指を載せっぱなしがまずいだろうから、片手をポケットに手を突っ込むクセでもつけようか。

楽器の効用

楽器演奏は体に良いわけではない。管楽器は大抵歯に負担がかかるし、弦楽器は指の形が変わったりするものもある。バイオリンの場合は正しい姿勢を取り続けると、腰に無理がかかる。武道などでは、正しい姿勢とは体に無理のない姿勢であり、正しい動きは健康を助長することさえあるが、楽器演奏は良い音、良い演奏のためならどんな負担のかかることでもする、というのが正しい姿勢のようだ。
体への負担もさることながら、情けないことに楽器演奏で一番しんどいのは、集中や緊張など頭に関する部分だ。ダラダラと間違えながら弾いてるときはそれほどでもないのだが、調子良くノーミスでメロディを先回りしておかずを入れたりしてるときでも、ほんの数分の曲でも終わったときにがくっと疲れることがある。

一方、楽器を弾くと自分のコンディションがよくわかる。指使いが思い出せなかったり、ついていけなくなったりすると、自分でも気がつかないが頭が回ってないのだとわかる。こういうときはあまりいい気分ではないが、何度かやってるうちに調子を取り戻すことも多く、まだまだ自分はいけるんじゃないかと、かえって気分が良くなる。こういうのは朝のほうが多く、寝ぼけていても徐々に気分が高揚し、その日一日仕事も快調にできそうな気がしてくる。午後は長時間弾いても調子が悪くなっていくことが多い。やはり疲れているのだろう。

だから毎日朝に一曲弾いてから1日を始めれば、毎日エネルギッシュに暮らせるのではないかと思う。なかなかそういう時間は作れないが。