潜水艦諜報戦<上><下>(新潮OH!文庫)

人類の歴史上2番めに古く、1番目よりも不名誉な仕事。本書は、冷戦時代の潜水艦による諜報活動を描いたドキュメンタリーである。潜水艦はアメリカ南北戦争のミシシッピ川で登場して以来、ドイツ海軍のUボードなど、兵器としての活躍が知られているが、第二次大戦後には主にスパイ活動のために利用されている。が、隠密性が特色だけにその活躍ぶりを知る機会は少ない。「潜水艦諜報戦」(新潮OH!文庫)は、米軍の潜水艦の諜報活動を描いたドキュメンタリーである。

本書では、敵に追い立てられる潜水艦内の描写から、予算の獲得のために軍や政府内部で行ったウソや圧力の行使まで、すべてが生々しく語られる。例えば事故で沈没したソ連の潜水艦を先に発見するために、わざわざ老朽艦を1隻沈めてその時に出る圧潰音を録音し、それを分析して沈没地点を特定するなど、最新、最前線だからこそ大胆で泥臭いエピソード満載で、最後まで目が離せない。

オホーツク海での海底ケーブルの盗聴、バレンツ海の相手領海内での軍港の監視など、書いて良いのかと思うような作戦や、不名誉な事故などについても余すところなく語られるほか、核兵器に関するぞっとするような事実まで明らかにされている。とりわけ下巻の巻末には、過去の潜水艦による極秘作戦や事故、戦闘行為について、本文で書ききれなかった情報が、時期や海域、艦名までもが列記されていて、これが相当なページ数を占めている。そのせいか、既に絶版となり古本でしか手に入らないが、下巻の値段だけがかなり高い。冷戦期を扱ったドキュメンタリーではあるが、潜水艦による諜報活動が当時より減ったとは思えない現在、物騒な国際情勢を読み解くにも欠かせない1冊だ。

世界人口が80億人に

国連の計算では、明日(11月15日)、世界人口が80億人になるそうだ。

どこかで「まだ、世界人口が60億だと思ってる人がいる」という言葉を見かけ、チェックしてみて知った。恥ずかしながら、それ、私のことです。
日本の人口減少の話ばかり聞かされていて、世界を見ていなかったというわけだ。子供時代は世界人口30億人で、50億になったら食糧危機が訪れると聞かされ、食べ盛りにはけっこうショックだったが、いつのまにか倍以上になっていた。

食糧危機をしのげたのは、食料生産技術、配送、保管の向上、流通の合理化、冷凍やパック、食品添加物などの技術の向上のおかげだろう。システム化や合理化は、かつては先進国だけの恩恵だったが、いまや急速な勢いでかつての途上国に普及している。そのせいか飢餓の話も聞かなくなってきた。飢餓はまだあるという人もいるかもしれないが、昔はもっとひどかったのだ。そして高度なシステムはさらに世界中に広がるだろうし、そうしないといわゆる先進国でも食べるものがなくなる。人類一蓮托生の、良い時代が来たものだと思う。人類もなかなかやるものだ。

ただし大規模な合理化や集約化でリスクを集中させると、ちょっとしたことが大きなトラブルを引き起こす。今回は、どこかのいかれた年寄りのせいで、エネルギーはもちろん、世界中で生活必需品すべてが高騰している。これからはそういうことは二度と起こさせない、屁理屈には耳を貸さない。世界がとった厳しい対応は、そういう確固とした信念を感じさせる。早くケリがついてもらいたいものだ。あのじいさんは同年代だけに、恥ずかしいったらありゃしないし、私より長生きだけはしないでほしい。

また予測によると、来年はインドが中国を抜いて人口世界一になり、その後も人口は増え続け。2080年に108億人でピークに達するそうだ。つまり我々は人類人口がピークに向かって2~3倍増するという、誰も経験したことない時代を生きてきたのである。どうりで予想もつかないことが、次から次へと起こると思った。

ダブルストップ

バイオリンの奏法のひとつで、多分カントリーなどのポピュラーで使われているテクニック。2本の弦を同時に弾いて和音を出すテクニックである。2本だからダブルだが、なぜストップなのかはわからない。
バイオリンは音量の小さな楽器だ。演奏者は顎で本体を挟んでいるため骨伝導で大きく聞こえるが、高音の弦だと蚊の泣くような音しか出てないことがある。我が愛機のような安物だとなおさらだ。曲の盛り上がる部分でも他の楽器ほどの十分な音量が出ないが、ダブルストップで弾くとなかなか迫力が出てくる。テネシーワルツなど、カントリーの曲ならぜひ使いたい技術だが、バイオリンを始めた当初、普通に弾いても隣の弦まで鳴らしてしまうくらいだから、ダブルストップは案外簡単なんじゃないかと思っていた。が、これは大間違いで、1本の弦だけなら多少当たる角度が違ってもちゃんと音は出るが、2本の場合は両方の弦に均等に乗るよう、弓を厳密な角度に保たなければならない。聞かせどころを作りたいなら、それなりに努力しなければだめだということで、鋭意練習中である。

これはイギリス人のフィドル(バイオリン)奏者、Chris Haigh氏による、テネシーワルツの指導動画である。英語の解説部分が長いので観賞用には向いてないかもしれないが、バイオリンの音を強調してあり、また、和音の選び方が格好いいので非常にためになる。私は最近まで知らなかったが、サイトでは、カントリーを中心にジャズ、ポピュラーなどかなり多くの指導動画をアップしていてためになる。