クリスマス

今日はクリスマス・イブ。以前の記事で、クリスマスと聞いてまっさきに思い出す曲として、シーナ・イーストンの「世界中にクリスマス」を載せたのだが、動画が削除されていた。1985年公開の「サンタクロース」という、あまりぱっとしなかったアメリカ映画の主題歌である。興行的には問題でも、「サンタクロースで大儲け」というよりいいかもしれないが。

たあいもない映画だが、今ならポリコレのせいでまともに制作できない。まずサンタが白人というのがダメ。白人をベースに、適度に黒人やヒスパニック、アジア人が混ざった、黒髪で肌の浅黒い人になりそうだが、本場北方の先住民族ラップ人という設定にすれば逃げきれる。伝統的な生き方を守る少数民族とくれば、ハリウッドではフリーパスだ。
良い子にだけプレゼントというのもケチがつくかもしれないので、悪い子もOK。「敵対不良グループをぶちかますのに、グロックの自動拳銃をください」という悪い子の願いには、どう応えるか。シナリオライターの腕の見せ所だ。
ジェンダーの問題はなかなか大変だ。何しろ女性の方が知能やステータスが高くなければいけないのだから。ここはサンタの奥さんに活躍してもらうしかない。プレゼントを配っている最中、ソリとドローンが衝突してサンタは墜落、足を骨折してしまう。そこで奥さんが、最近おなじみの攻撃用ドローンをハッキング。爆弾の代わりに戦場にプレゼントを落として回るという趣向だ。そして、作戦本部の防空レーダー画面には「メリー・クリスマス」のメッセージが。このへんがクライマックスだと思うので、あらためて主題歌をどうぞ。

ところで、トナカイに対する野生動物保護と深夜労働の規制はどうしよう?ムスリムや仏教徒に対する配慮は?

24/7のサポートサービス

24/7とは英語圏の言い方で1日24時間、週に7日、日本でいう「年中無休、24時間営業」の意味。
私のサーバーとはもう20年近くのお付き合いだが、最初から、メール、チャット、電話のどれでも、24/7で問い合わせを受け付けている。

アメリカのサーバー業者なので英語なのだが、英語だからこそサポート要員が世界中にいて、問い合わせがあったら最寄りのタイムゾーンの人間が受けるらしい。これなら正社員でなくても、ネットからスタッフ登録でき、仕事を受けられる。海外のサーバーでは、このサービスがなければ競争にならないが、日本だと営業日の営業時間内しか受け付けないところが多い。それでも最近はサポートに力を入れてきたらしいが、オプション費用がかかるし、腕利きスタッフが手ぐすね引いて待ち構えるというわけにはいかないだろう。下請けや登録アルバイターに夜間のブラック勤務を強いれば、作業のレベルも期待できない。
私のサーバーでは、案件ごとに担当スタッフが決まり、途中で応答が遅れたり、困難なケースだと、受けた者と別の者が返答してくることもある。解決すると、サポート内容に対する評価リストが送られてくる。リストには、担当者名や応答にかかった時間が表示されている他、サービスに対する満足度の10段階チェック表と、簡単なメッセージ欄もある。

この結果をスタッフの評価にするだけでなく、サポート案件が難易度のランキングなどと一緒に一覧に表示され、希望するスタッフが名乗りをあげる、オークション的なシステムがあるような気がする。日本では仕事に対する10段階評価というと敬遠されがちだが、力のある人はより困難な案件をどんどん受けて評価を高め、それほどでもない人は数を稼ぐなどの戦略がとれる、顧客・担当者双方にとって公正で効率的な仕組みだ。

サポートを受けた経験から言うと、日本の案件はインドあたりののスタッフが受けることが多いようだ、インドでは、カーストによって就ける職業さえ違ってくると言われているが、IT関係は該当するカーストがないため、それまで既存の職業では活躍の場がなかった人たちがチャンスを得られるようなったという。さらにこういうサポートサービスに従事することで、地方住まいや学歴等の不足した人も、IT業界のキャリアを積むことができるだろう。

ただ、ちょっと気になる話もあって、こういう何段階評価をとると、日本人は評価を辛くつけがちなのだという。私は、自分にできないことが解決すのだから、常に10しかつけたことないが、確かに日本人には「できて当たり前」というような他人にもストイックな人が多いかもしれない。いつも満点評価をつけていれば、太っ腹顧客だとばかり、腕利きが競って受けたがるようになるのでは。そういう下心で考えても、よほどのことがない限り、満点評価以外ありえないだろうと思うのだが。

ボヘミアン・ラプソディ/アンジェリーナ・ジョーダン

フライミー・トゥ・ザ・ムーンの記事のために動画を物色していたとき、ちょっと気になるものを見つけた。フル・オーケストラの前で、少々子供っぽい歌手が、堂々たる歌いぶりを披露している。検索すると、アンジェリーナ・ジョーダン(Angelina Jordan)という、当時12歳(!)のジャズ・シンガーだった。(画面は手ブレがひどいのでご注意)

14歳でアメリカズ・ゴット・タレントに出場した際のステージがすごい。曲はなんとボヘミアン・ラプソディ。曲そのもののむずかしさやフレディ・マーキュリーの有名さで、なかなか手を出しづらい曲を、今まで誰も聴いたことのないアレンジでジャズのバラードにしてしまった。最初、何の曲だっけ?と思ったほどだ。

YOUTUBEには、「歌手やボイストレーナーのyoutuberが、この動画を始めてみたときのリアクション」という動画が、ひとつのジャンルのように多数アップされていて、涙を流したり、口をポカンと開けたり、鳥肌を立てたり、頭をかかえてしまうなど、衝撃の大きさが伝わってくる。
そんなYOUTUBERたちの説明によれば、
・絶対音感があったにしても、大舞台でアカペラから始めて伴奏に合わせる度胸がすごい
・クライマックスでも力みがなく、ビブラートや揺れ、ブレスをたくみに使いこなしている。
・声や歌い方が老成していて、20世紀のビッグなシンガーを聞くようだ。
・ホィットニー・ヒューストンのパワーやカレン・カーペンターの声を使い分けられる
・難曲に全く新しい解釈をした。アイデアがすごい。本人のアレンジなのか。
などとベタほめである。

ノルウェー生まれで、7歳のときに現地のゴット・タレントでチャンピオンになっている。他にも多数動画が上がっているが、スタンダードの名曲が多く、また我々が一番よく音楽を聴いていた頃を彷彿とさせる歌い方でなじみやすい。孫のような歳、と書こうと思ったら、本当に祖父は日本人だそうだ。