楽器演奏は脳の老化を遅らせる

楽器演奏は老化を遅らせる、という記事をGIGAZINE読んだ。指、耳、頭、目をすべて駆使し、いま出してる音を確認しつつ次の音を出す準備をする。そんな作業を曲の間中続けるのである。そりゃ老化してる余裕はないだろうと思う。さすがに、わかっていても指がその通りに動いてくれなかったり、次の動きを勘違いすることもあるが、何回か通してしまいにうまくいったときには、それほど衰えてなかったと確認ができるのがいい。何より弾き終わると、頭ががすっきりする。そのせいで自分で意識してなくても、弾く前は多少ぼーっとしていたんだなとわかることがある。
ただし、ほんの数分でもなかなかしんどい。楽器演奏が脳の老化を遅らせるというより、楽器が演奏できれば老化してないとわかる、というほうが正しいかもしれない。そして、これで寿命が伸びるかどうかは、別の話だ。

うさぎとキリギリス

「このままではだめだ!」
「おや、うさぎ君。どうしたんだい」
「やあ、キリギリス君。こないだの競走の件さ」
「ぼくも見たよ、惜しかったね」
「...惜しくはなかったよね。がっかりだろ?あれ以来ボクはダメ人間のお手本さ。こんど童話になるんだと」
「ダメ人間なものか、君には才能があるし」
「そんなもの、努力の前には無意味さ。ボクがそのいい見本だ」
「油断しただけじゃないか。ボクなんか怠け者代表として、とっくに童話になってるよ」
「相手はアリ君たちだね。彼らの生き方って、地に足がついてるよね」
「カメ君もね」
「だから思ったんだ、生まれ変わろうって」
「実はボクもそうなんだ。地に足の付いた生き方を始めようと」
「そうだ、何も特別なことじゃなくていい。毎日飽きずに最後まで頑張ることが大事なんだ!」
「普通が一番だね、なんだかボクも元気が出てきた。歌ができそうだよ。タイトルは『明日からがんばろう!』」
「おっ、いいね!なんだか踊りたくなってきた。そうだ、今晩は踊り明かそう!そうと決まれば、ひとっ走り行って酒を買ってこなくちゃ!」
「お金は?」
「まかせといて!ツケがきく店があるんだ」

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アリとカメ
「….ねえ、カメ君」
「なんだい、アリ君」
「ボクたちの人生って、なんだったんだろうね…」

棍術(棒術)エキササイズ

その昔、日本の古武道の棒術を習っていた。型の練習はストレッチとしても効果的なので、道場に行かなくなった後でも練習したかったが、硬い木の棒を振り回すのは公園でも河川敷でも物騒なので、いつしかやめてしまった。

面白い動画を見つけた。まるでカンフー映画の1シーンのようだが、純然たるエキササイズの指導である。これには良い点がいくつかあって、まず竹竿を使ってること。棒術で使う木の棒は、剣術の日本刀と同じく本身であり、殺傷力がある。竹竿なら軽くて値段も安く、万一人にぶつけても最小限度の被害で済む。また、棒術では掌中をスライドさせて突き出す技があるので節があるとまずいが、エキササイズにはそういう動きはなく、ゆっくり持ち替える程度だ。長さを術者の身長程度に切ってあるのがまたいい。棒術は6尺(182cm)でさらに長いのもあるが、これは多少取り回しで無理をしても少しでも長い得物で相手より優位を得たいがため。エキササイズなら両手を広げた長さ≠身長以上は必要ない。

そして、棒術の型にも通じることだが、棒をつかんだまま動くことで、手の位置や高さ、姿勢などが制約されて自然に最適な姿勢になる。運動量はラジオ体操より少し少ない程度だろう。ラジオ体操もインストラクターに指導されてやったら相当しんどいはずだが、大抵は手先だけの我流で済ませている。このエキササイズだと、棒がインストラクターの代わりに体の位置や動きのガイド役を果たすので、低リスクで体を締め上げてくれるだろう。動作の合間に、臍下丹田に手を置いて息を整えるのも良い。ひとつずつの動作をゆっくり行うのは、立て続けにちゃっちゃと済ますよりずっといいだろう。何より、ゴリゴリの武道や妙にスピリチュアルな感じにならずに終わってるのが良い。これまであるようでなかったエキササイズだと思う。