ハロウィン・マリッジ

10月31日はハロウィン。この催しは日本でもけっこう昔から知られてはいて、デパートなどがなんとか新しいセールの眼目にできないか長年トライしたが、なかなか定着しなかった。が、近年はコスプレイベントとしてすっかりおなじみになったようだ。長続きするイベントというのは、誰かの思いつきとその賛同者からじわじわ盛り上がり、企業や自治体、広告代理店やメディアが後追いで乗っかってきたものだが、最近は後者によるあざとい仕掛けたが増えてきた。が、ハロウィンは一応”天然物”のようだ。良いことである。

ハロウィンの人気が出たのは、映画「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」の人気が出てから。この映画も封切り時は人気がなく、普段エロやヤクザ映画がかかる2流館だけで封切られており、観客も閑散としたものだった。ビデオを買ってまだ小さかった子供に見せてトラウマし、その子が大きくなってジャック・スケリントンのフィギュアを買う頃には、すっかり人気になっていた。そこまでなるのに約一世代かかったわけだ。
コスプレもまた映画と関係が深い。スター・ウォーズ第一作は日米で封切り日が違っていたが、自作のベイダー卿の装束まで現れたアメリカでの盛り上がりぶりが伝わり、日本の封切り日には用意万端、ベイダーやストームトルーパーに扮したファンが登場した。スターウォーズ・ブームはまさに我々世代が作り上げたもので、我が妻などはPHPやMYSQLを独学し、私が提供したサーバー上で多分ドルーパルでファン交流サイトを開設し、評論家やコスプレ集団が集うなかなか有名なサイトに育てた。

話は変わって、最近年寄りが集まると、すぐ子供や孫世代の非婚者が話題になる。原因はあくまで当人の個人的な事情だろうが、少なくとも業者が考えチョイスするだけの結婚式がロマンチックじゃないから、というのは大きいと思う。
だったらそういう既製品から離れて、タキシードとウェディングドレスだけ着てハロウィンの列に飛び込み、「僕たち、結婚しました!」と叫ぶだけで、あっという間に素晴らしいイベントが始まると思う。事前の仕込みも何もなしにぶっつけでも大成功間違いなし。当人たちにとっても、他の参加者たちにとってもなかなかいい思い出になるだろう。企業もマスコミも置いてきぼりで、そのうちだんだんスタイルも決まってくるだろう。若いカップルだけでなく、40代も、50代も、そして今なら性別さえも関係なく、ペットの結婚だってアリ、ということになったら楽しいだろうし、憧れる人も増えてくる。そういうのが非婚化脱却の早道のような気もする。

ちょっとだけ準備をするとしたら、やはり音楽だろうか。みんなで歌ったり踊ったりできるノリのいい歌。レトロなほうがハロウィンっぽいような気がする。我々世代の感覚でいえばこんな曲。という具合に、ハロウィンになるたびに、こんな年寄りの遊び心がくすぐられるのだ。

※クリフ・リチャード、このとき75歳!負けてられないなあ。

広告ブロッカー戦記

ちょっと前から、Firefoxでyoutube動画が再生できなくなった。原因不明のまま、chromeに切り替えて視聴していたが、広告ブロッカーの使用は規約違反なので3回違反したら、再生を停止する旨の警告が出た。Firefoxの原因もこれだったらしい。言われっぱなしも癪なのであれこれあがいてみたがうまい方法がなく、結局ブロッカーでYOUTUBEの制限を解除した。

私の広告ブロッカー歴は長い。なので画面サイドの広告も、動画にインサートされてるCFもないすっきりした視聴環境が当たり前になっていた。それがブロックを外した途端、げんなりするようなケバケバしい絵面に。動画再生時にはまず広告を見せられる。見てみないと内容がわからないものや、あえてサムネイルで誤解させるものも多いので、すぐ切って次の候補を見るのだが、そんなことが続くと次々と広告ばかり見ていたことになってしまう。さらに、我慢して見始めても5分ごとに広告が入る。みんなよく我慢しているものだと思う。

不愉快な画面を見たくなければ金を払えというのもおかしな話だし、質と量を管理せずに広告を垂れ流すことを収益の柱にしているのも決して自慢できることじゃない。何より広告ごとダウンロードするので表示時間が長くなるし、表示した広告を手がかりに履歴が追跡されるなど、ネット広告にはTVの広告などとは違って実害もある。YOUTUBEの広告にその危険はないかもしれないが、安易にブロッカーをはずすと、他のサイトで悪質な広告が表示されてしまう。

ただし、ネットの住民は一方的な通告にハイハイと従ってばかりはいない。いずれ新しいブロッカーが登場するだろうと思う。ブロッカーのユーザーはある程度技術的知識を持っている、ネット全体の動向を左右する層で、IT事業者とは共生関係にあると思う。彼らにそっぽを向かれて大丈夫かなとも思う。
また、「自分たちの事業は広告収入で成り立っている」というのは、大人社会の正論ではあるが、大人と言ってもせいぜい4・50代のそれ。我ら高齢者から見ればまだまだひよっこのさえずりである。そのうち「我々の事業は、皆様のご視聴で成り立っています。お願いだから見に来て!」と言わなければならなくなるかもしれないぞ。

ちなみに広告ブロッカーというのはブラウザのプラグインだが、プラグインなしでブラウザ自体が広告をブロックする「BRAVE」なら、今のところ警告は出ない。シェアも高くなっているという。

ドメイン皮算用

初めて自分のドメインを持った時は感動した。その後新しいTLDが登場するたびに、面白いドメインを考えては実際に取得し、仮サイトを作って何か面白いことが出来ないか、新しいビジネスができないかを考えるのが一種の楽しみになった。ネットの初期にはそれなりの反応もあったが、そのうちなんとなくサイトは閉鎖し、持ってるだけのドメインがいくつか残った。
先日たまたまドメイン業者のサイトで手持ちのひとつを査定してみたら、なんと30万円になるという。これは残り物に福があるということかと、ホクホクしていたのだが。

ドメインは誰か新しいものを作って国際機関に登録することで誕生する。管理費用を払い続ける限りその人のものだが、払わなくなると権利が消滅する。その後に別な人が同じドメインを登録することもできるが、人気のありそうなものはドメイン業者がそのまま保有して売りに出したり、オークションにかける。今回は、その予想価格を30万円と査定するというのだ。もちろん取引が成立すれば、業者に取引手数料を払うことになるが、売れた後なら惜しくはない。

ここでよく考えると、問題のドメインは査定した業者で管理しているものではない。そこで、査定業者で売りに出そうとすれば管理を移さなければならない。そして売りに出すための年間手数料も上乗せされる。つまり他社で管理されているドメインを自分のところに移させ、管理費用に加え売出し手数料も毎年徴収するのが狙いなのだろう。

そこまで考えて、最初の査定金額はどの程度根拠があるのかなと考えた。根拠も特になく「査定した」と称する、大きな釣り餌かもしれない。取引成立後の手数料も大きいので、業者はそちらがねらいなのだと思わせておき、その実、少額のドメイン管理費用と発売手数料を毎年徴収することが狙いかもしれない。
ちょっとずるい気もするが、消費者の欲をついたうまい方法だと思う。多分今のビジネスは、それくらいあらゆる方面に知恵をしぼらないといけないのだと思う。

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