Blenderでバーチャル名工

古い町並みのCG作品。それなりに仕上がってるようにも見えるが、実際に造形したのはモノクロ画の部分。昔のペーパークラフト画像をそのまま貼り付けただけだ。ここでは貼り付け画像にイラストを使ったが、実際の建物の写真を使ったり、もう少し細部の凹凸を作り込むと、リアルな写真と区別がつかなくなる。こういうことができるのがCGの面白さだ。最新の映画やゲームでも、精密なCGだけでなくこの程度のものも一瞬の背景などに使われていて、演算処理の時間や手間などコスト削減に活躍している。

ところで、ルイ16世はフランス革命期の国王でマリー・アントワネットの夫だが、錠前づくりが趣味だったという。もしかしたら鍛冶屋などモノづくりの才能を持ってたが、国王に生まれてしまった人かもしれない。王様だから錠前づくりでもなんでもやり放題だが、鍛冶屋に生まれていたらギロチンにはかけられなかっただろう。モノづくりには、地位などを超えた魅力があると思う。
日本人にも職人志向、モノづくり志向の人が多いように思うが、そういう職業につける人ばかりではない。大工や機械工になりたかったが事務職や接客業として暮らしている人も多いはずだ。とはいえ王侯貴族ではないので、趣味で大工道具や製造機械、工房を持つのはなかなか難しく、材料費もかかるし作品を置く場所もない。そういう人にはCGはうってつけの趣味だと思う。コンセプトカーの設計や大規模都市計画など、専門家のなかでも任されるのはごく一部の人だろうが、CGならやり放題である。さらに動画にしたり、3Dプリンタで現物化することもできる。
自分はいつもヘボCGを作りながら、こういうシステムが無償で使えることを知らずにいる、隠れた名工や天才がまだまだいるのではないかと気になっている。

斧は忘れる、切り株は忘れない

斧は忘れる、切り株は忘れない
このカテゴリーではお気に入りの映画の名台詞を紹介してきたが、これは格言だ。たしかレバノンのものだったと思う。捉え方で2通りの意味があって、自分が斧だと思う人には名言だが、自分が切り株だと思うなら、果てのない恨みの根と紛争の芽だ。互いに生まれてもいない時代の出来事について非難しあい、生まれて間もない者を犠牲にしてまで紛争を続けることになる。あの連中以外の人は、ちゃんと忘れたふりをして生きているのだが。

人生は鶏の尻、今日は卵、明日は糞
これはアフリカのことわざ。「アフリカ」とひとくくりにするのは好きじゃないが、国名は忘れてしまった。それならばと、ザルを持って待ち構える人と、ほうきを手にして追いかける人に分かれるかもしれない。

座右の銘は、必要な時に座右にあった試しがない
これは自作。「あのときこの言葉を知ってたなら」とか、「ちゃんと自分に言い聞かせていたはずなのに」とか、とにかく大きな代償を費やした挙げ句に出来上がったものだ。

ところで最近は我ながらよくウソをつく。同世代の女性には「おや、どこの娘さんかと思った」くらいは言うし、昔の同級生になら、運動部に入っていただけで「スポーツ万能だった」、友達が何人かいたというだけで「クラスの人気者だった」という調子である。
この歳になるとだれも褒めてくれない。赤ん坊の時のように立って歩いただけで絶賛して欲しい、とまでは言わないが、実情は立って歩くだけで結構つらい思いをして頑張ってることもある。だからみんな見え見えのおべんちゃらでも、「またまた、冗談ばっかり!」とか言いながら、かなりうれしそうだ。間違ったことを言ってるかもしれないが、間違ったことはしていないと思う。
でも本当の年寄りのウソは、もう少し情けないものである。

年寄りの言葉はウソまみれだ。届かなかった夢や果たせなかった約束が多すぎて、とても現実を直視できないから
これも自作だ。

どろ~ん...

やっておけばよかったと思うことはいくつもあるが、ドローンもそのひとつだ。ドローン以前にもヘリコプターのラジコン模型があったが、これは非常に高価なうえ操縦が難しく、買った最初の1台は墜落して使えなくなることを覚悟せよとまで言われていた。
それに対してドローンは一番難しい姿勢の制御は機械任せで、上を押せば上昇、下を押せば下降というように、誰でも簡単に操作できる。世界中のあらゆる秘境がカメラに収められている時代でも、自分の頭上ほんの数メートルからの視界さえ、誰も見たことがない。建物の屋上などの限られた場所のほかは航空機からの撮影があるが、地面から相当高い高度からしか撮れないし、飛行禁止箇所も多い。それをぜひ自分の手でも撮ってみたかったし、どうぜ規制されるのだからその前に体験したかった。

ドローン登場以降、案の定それまで見たことのない視点の映像が次々公開された。また空をカンバスにして無数のドローンが集団演技するなど、夢のある使い方が考え出された。
だが、最近のドローンの話題はもっぱら戦争だ。敵の様子を探り、ミサイルを誘導し、さらに自爆までする。まさに主力兵器である。こどものおもちゃを戦争に使ってるように思えて、気分はどろ~ん…だ。

高速道の違反車を追いかけ回して速度を記録し、ナンバーや運転手を撮影するドローンなら、今すぐにも出来るのではないかと思う。ところでこれは本家アメリカ直輸入らしい。