2025年6月4日

1986年の今日、中国で天安門事件が起こった。これに関して、以前身の回りで起こったことを記事にしたことがある。

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この頃の中国は途上国そのもので、私は留学生の帰国にあたって
「あなたたちが頑張れば、そのうち日本を追い越すかもしれませんよ」と言った。
社交辞令のつもりだったが、現実になってしまった。

当時まわりにいた大陸系の中国人は、華僑や留学生など、やや特殊な立場の人だけだったが、今はそこらじゅうで見かける。富裕層が登場し、「爆買い」が話題になった。民間レベルでの交流は活況だが、互いへの反感もまたかつてないレベルに高まり、安全保障上の脅威も増している。

かの留学生は酪農を研究していて、国中の赤ん坊に、十分なミルクをあたえるのが夢と言っていた。日本には20歳を過ぎてそんな青臭いことを口にする人は珍しかったので、素直に感動した。その後その夢は実現し、十分なミルクが流通するようになったが、毒入りミルク事件がおこった。留学生の言葉を思い出し、先進国化は良いがそこまで行かなくてもと残念に思ったものだ。
が、今なら、中国人とはそういうカッコいい言葉を口にしたがる国民なのだとわかっている。やるべきこともやるが御大層な宣言もする。田舎から出てきた素朴な青年も、それは変わらない。日本人はホンネと建前が違うと言われるが、言行はけっこう一致している。それに比べて中国人は「言」のバランスが過大だ。善良な人でも、できもしないことでも請け負ったりするので、結果としてウソをつかれることもある。そして悪質なウソは日本人よりひどい。

あの時代から比べると、日中の関係は良い意味でも悪い意味でもずっと深まった。友好も敵対も同時進行中のような抜き差しならない関係といえる。が、相手をよく知ったほうが優位なことは間違いないし、軽視するには危険な相手でもある。

2 thoughts on “2025年6月4日

  • 6月 5, 2025 at 09:31
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    香港では厳戒態勢で学生や青年たちのデモに敏感になって居ますね。天安門での衝撃は今でも記憶に鮮明に残っているのでしょうね。香港では今でも堂々と民主主義を口にする若者たちが居る一方で、中国本土での若者や学生たちは自由に物を言えるのでしょうか?。観光客として日本に来る中国人は自由奔放に見えますが、それは外国だからでしょうか?それともその姿は本土でも変わらないのでしょうか?我々にはすべての国民が抑圧されているようにも思えるのですが?。

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    • 6月 5, 2025 at 09:54
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      中国人と話すと、そんな政治批判をしゃべって大丈夫かと心配になることがあります。庶民はたいてい政府を信じておらず不満を持っていて、一方で、相手が日本人でも信用したら何でも喋ります。特に日本人は告げ口したりしないので、信頼されています。もともと政治談義で大言を吐くのが大好きで、しかも絶対に行動しません。もし日本人が言ったならなにかやらかすんじゃないかと心配になるような口調で政治批判をするのですが、言ってはいけない微妙なツボがあるようで、そこを巧みにかわしながら話し、周囲も絶対に実行しないことがわかって聞いてる感じです。また、お上は庶民が何を考えようが言おうがおかまいなしに、ある日突然踏み込んで来たりするので、言っても言わなくても同じだという雰囲気もあります。日本人が変わってるのか、中国人が変わってるのか、昔から不思議に思っています。

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