昔から色彩感覚に自信がない。特に、海外の雑誌や工業製品などの色使いを見るたび、到底マネのできないと思っていた。ネット時代になって世界中のサイトを見てなおその思いを強くしたのだが、ある日、上質なウェブサイトの画像やテキストから色だけの短冊を作って色見本とする分には、権利関係に触れずに洒落た配色の作品ができることに気がついた。

これはうまい手口で、特に最初から使う写真が決まってる場合は、写真からピックアップした色で背景や文字色を指定すると、自分作とは思えない気の利いた配色になった。これは大変な発見だと思って秘密にしていたが、早晩誰でも思いつくことなので、そのうちごくありふれた手法になった。自分で思いついたところは我ながら大したものだとは思うが。
こんなことに労力をかけていた理由は、その昔に「ブラウザセーフ」という考え方があったから。PC上で、PGBの組み合わせで作れる色数は約1677万色もあるが、人間の目で識別できるのは4000色ほど。その中で、ブラウザが変わると色合いが変わってしまうものを除いた216色を使うのが望ましいという考え方があった。そんな制約の下でも洒落た配色をする人はいるが、自分ではムリなのでマネしてしまおうということである。
今ではあまり気にされないようだが、色彩感覚を磨きたいという人は、いろいろなサイトからカラーパレットを作ってみるのもいいかもしれない。
