なんでも移調

ネットにはヴァイオリン演奏だけでもさまざまな動画があり,「sheet music」と曲名を検索すると,大抵の曲の譜面が見つかる.ただしそのままだと弾きづらい事が多いので,AやDに移調してしまおう.すると随所にAやD,つまり2弦や3弦の開放弦が表れるようになる.指使いが一息つけるので演奏がぐっと楽になるのだ.
例えば「雨に唄えば」は,ジーン・ケリーの声に合わせたGの曲で,楽譜もGが多いが,Dに移調して弾いてみると,驚くほど指使いが楽になる.また、ごく限られた音を繰り返しているだけなことにも気がつく.

移調マシン移調などというと難しそうだが.こんな秘密兵器を使えば案外簡単にできる.紙で2枚の円盤を作り,半音階を順番に書き込んで真ん中を画鋲で止めるだけだが,頭だけで考えたり,譜面で五線の数を数えるよりずっと楽だ.もちろん,C,C#,D,…ではなく,ド,ド#,レと書いてもいい.元の譜面があるなら,このやり方で1音づつ移し替えていけばいい.手間はかかるが,曲を覚えられるというメリットもある.

工作の話と違って,多少なりとも演奏に関わる内容はどうも書いていて気が引ける.こんなのを読んでもらっていいのか.せめてものお慰みに,バイオリンの名演奏を紹介しておこう.

スイング時代のジャズギターの巨匠ジャンゴ・ラインハルトと,長らくコンビを組んで活躍したバイオリニスト,ステファン・グラッペリによる「My Blue Heaven」.グラッペリはジャズ・バイオリンの近代的なスタイルを作っただけでなく,1997年に87歳で没するまで,若いアーチストと共演を行ってきた.つまり,たいていのことはこの人がやり尽くしてしまったので,どのジャズ・バイオリニストが弾いても,グラッペリ風になってしまうような気さえする.

次回「魂柱記」(2/14 AM0:01 投稿予定)
乞うご期待!

5 thoughts on “なんでも移調

  • 2月 12, 2016 at 10:28
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    ブルース・ハープは一種類ではなく何調にも分かれている事を店側で教えてくれなかった。当然知っている筈と思われていたのか?全部そろえれば数万円になるとは・・・。

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  • 2月 11, 2016 at 21:56
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    今日、楽器店に行こうと狸小路近くの駐車場にクルマを入れて探したが見当たらない。コンビニで聞くと廃業したのか今は狸小路に楽器店は無いとの事。仕方なくスマホでネット検索。数件あった。即、電話して「ブルース・ハープありますか?」と。何と2件に聞いたが、いずれにも有るとのこと。ドイツ製、アメリカ製、日本製があって3,000~5,000円程度らしい。明日にでも見に行こうと思っている。

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  • 2月 11, 2016 at 08:25
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    えっ?そうだったんですか。弓であんな音出せるなんて。不思議です。もう一度聞いてみましょう。

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  • 2月 10, 2016 at 11:35
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    確かに、ジャズらしいフレーズを弾いているので、管楽器に聞こえてしまうのですが、のっけからバイオリンでメロディライン弾いてます。バイオリンなのにそんな風に弾いたというのが、この人の持ち味なのだと思います。

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  • 2月 10, 2016 at 09:45
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    Djangoの演奏を聴いていてクラリネットかソプラノサックスとギターしか聞えず、一体どこにヴァイオリンが入っているのかと疑問に思いながら聞いていたら後の方にありました。ジャズのヴァイオリンはこれまであまり聞いたことがなかったので新鮮でした。ディキシーランドとモダンジャズと言われたころの生のステージを観たきりで、その後ジャズはCDで聴いたりしかしていません。

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