30タイプのフィドル演奏スタイル

フィドルとはバイオリンのこと。この2つは全く同じ楽器だが、カントリーなどのPOPSや民族音楽で使うときはフィドルと呼ぶ。バイオリンはクラシック音楽の楽器という印象が強いが、実はさまざまな国の民族音楽で使われていて、むしろクラシック以外の演奏者のほうが多いのではないかと思うほどだ。

民族音楽でのフィドルの演奏スタイルは、国が違ってもどことなく似ている気がしていたが、それを一堂に集めた動画があった。

早いテンポで絶え間なく音を出すスタイルは、ヨーロッパの民族音楽のほか、カントリーやブルーグラスなどのアメリカ音楽にも登場する。これは一見高度なテクニックのようだが、一度置いた左親指のポジションをその場から動かさず、4本の指で無理なく届く範囲の音を拾い続けるだけ。ビブラートもあまり使わないので、派手な割に慣れれば演奏しやすいかもしれない。
フィドルの軽快なリズムは、集まって手拍子を打ち、踊るのにぴったりだ。また、フィドル自体も非常に軽く、最初に我が家に届いたときも梱包込みなのに中身が入ってるのか心配になったほどだ。酒場でも屋外のダンス会場でも、どこでも気軽に持ち込んで観客の踊りのBGMを奏でたのだろう。そして人々がヨーロッパから新大陸に移民したときにも、軽いフィドルは他の楽器よりもたくさん持ち込まれ、故郷の音楽のスタイルとともに広まっていったのではないだろうか。

ところでこのプレイヤーのフィドルは、黒いフィンガーボードの上に、白い松ヤニの粉がついたままだ。こういうことをするのはクラシックのバイオリニストではなく、フィドラーである。だから私もそうしようとしばらく松ヤニをとらないでいたが、松ヤニの上にホコリが付着してひどいことになってしまった。外見だけマネしても、フィドラーにはなれないということだ。

2 thoughts on “30タイプのフィドル演奏スタイル

  • 12月 20, 2023 at 06:43
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    初めてしりました。ヴァイオリンにも別の名前があったとは知りませんでした。しかしその音楽だけはどこかで聴いた事があるリズムですから、単に深く知ろうとしなかったに過ぎないのかも知れません。クラシックでは数億円もする楽器ですが、荘厳なステージを彩る重要な楽器に対して、一方フィドルの場合は音質の追及ではなくむしろ軽快感などリズムの面白さに重点を置いているのでしょうね。つまりみんなで集まって飲んだり踊ったりしながら気軽に楽しめる大衆音楽の為に登場したのでしょうね。松やにの話からも、それほどデリカシーに扱う事も無く、カントリー・ミュージックに使われるギターやバンジョーの様な感覚なのでしょうね。

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    • 12月 20, 2023 at 08:33
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      日本ではクラシック音楽の楽器として入ってきたから、ハイソな方々のお稽古事みたいなイメージですが、もともとはヒゲ面男が飲んで騒ぐ酒場のBGMとしての歴史のほうが古いと思いますし、そこが私の気に入ってるところです。聞いていて苦にならず、なんとなく懐かしい気分になりますが、チャイコフスキーではそうはなりません。その辺がプレイヤーの腕前なのだと思います。

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