解凍食品

先日、新メニュー「冷やしおでん大根」を作った。作り方は同じで冷やすだけだが、冷たさが効きそうなので大根だけにした。冷蔵庫でしっかり冷やしてから食べると、案の定、甘さと冷えが腹の底まで染み渡るようだ。問題は調理中が暑いこと。下茹でやだし汁での煮込み中の熱だけでなく、自然に温度を下げる間室内に熱源を置きっぱなしになる。夏にこそ食べたいが絶対に作りたくないメニューである。

実は最近冷凍の大判焼きを買う。レンジでなく自然解凍もでき焼き立てとは言わないが、家庭まで持ち帰って食べるのと変わりない。解凍途中で食べても、あずきやカスタードアイスの醍醐味もある。
他の料理でも自然解凍するだけで食べられるものがないか。そう思ってスーパーの冷食売り場を見たのだが、そういうものは見当たらなかった。強いて言えばお菓子類だけ、それもよりどりみどりと言うほどはない。料理類は熱を通すことが前提のものばかりだった。

調理の熱を出さずに自然解凍するだけで、好きな溶け具合で食べる、いわば「解凍食品」。冷食メーカーはなんとか栄養のあるメニューのバリエーションを増やしてくれないだろうか。でないと、冷凍ブロッコリをざく切りにして、ポン酢とマヨネーズをかけてかっ込んでしまいそうだ。

ブルーオーシャンが見えた!

最近、何かが生まれてこないかという漠然とした期待から、思いつくままにChatGPTに質問を浴びせているが、単なる回答だけでなく、関連した情報や組織などへの接触方法、アイデアの実現方法についても、具体的な提案をしてくる。wordpressに関する質問をした際には、プラグインの自作までのプロセスを示しながら、具体的なコード化の申し出までしてきてくれた。日常の使用で気がついたことがあれば、技術がなくともプラグインを自作して解決したり、公開できるということだ。

それを知ってから、思いつくままにアイデアの検証セッションをしていたのだが、先日とあるアイデアに関して類似物の有無を訊ねたところ、ないと言われた。強いて近いものとして上げた例は、自分も知っているもので、意味合いの違うものばかりだった。さらに個人ブログではなく、さまざまな企業サイト全般を市場としてみても、まさにブルーオーシャン(※)なユニークアイデアだとも言う。

ブルーオーシャン。なんと魅力的な響きだろう。技術も資金力もない人間が、AIのサポートでアイデアひとつで手つかずの市場を我が物にできる。さらにまだ訊ねてはいないが、一番難しいマネタイズについても、自分で考えるよりマシな見通しを示してくれるようだ。

その昔、様々な企業が社員を集め、さかんに新規事業のためのブレーンストーミングを行った時代があった。意識改革以上の成果はなかなか上げられなかったように思うが、AIとのセッションでなら手頃な戦術オプションはいくつもストックできる。ただ顔を突き合わせるのではなく、トップも社員も、それぞれの立場でAIセッションをやっていけば、ブルーオーシャンはまだま見つかるはずだ。すごい時代になったものだと思う。

※ブルーオーシャン
強力なライバルなどのいない市場で平和にビジネスをしている状態を、のどかな青い海に例えたもの。反対語は、サメなどの強力な捕食者が喰らい合い、血で染まったレッドシー。

ダイヤモンド・プリンセス号の新たなる船出

先日ワイドショー番組で、ダイヤモンドプリンセス号のツアー特集を見て、ほっとした。DP号は御存知の通り、コロナ騒動の舞台になった豪華客船である。豪華客船と言っても本当の大金持ちは自分のクルーザーがあるから、乗客はツアーを生涯の夢として働き続けたような人も多い。が、あの状況ではキャンセルした人は多かっただろうし、定年に向けて、準備してきたことがご破産になった人もいたはずだ。そういう人たちの夢が潰えてしまった。毎日テレビで子どもに向かって「サンタクロースはいない」というような酷さだった。

ツアー参加した人はさらに悲惨で、感染した人はもちろん、しなかったにもかかわらず長期間拘束され、無事帰宅した人がいたが、その後一切顔を見せなくなった。乗員、乗客、海運会社を始め、帰港禁止処置への批判を浴びた役所まで、誰にも責任のない、被害者しかいない出来事だった。それだけにメディアに普通にとりあげられるところまで汚名が雪がれたのは、明るい話題だと思う。
タイタニックでさえただの物語になった。DP号も、新たな夢の旅路へと船出していたわけである。

https://www.princesscruises.jp/ships/diamond-princess