
北海道の石狩から苫小牧にかけては、日本海と太平洋が平地でつながるという日本でも珍しい地形だが、この部分を地理院の地図で見ると、 東側は夕張山地と日高山脈が、西側からはオロフレ山から札幌岳、余市岳へ連なる山々が、左右から押し込まれて”><”の形をなしている。2つの島が東西から押し寄せてきて、その間は海だったのだろう。
この平地は北側は石狩川によって土砂が堆積されたものだと見当がつくが、石狩川は札幌で石狩湾に向かってしまうので、何が勇払原野を埋めたかがわからなかった。そこで支笏湖を見ると、湖の東南方向の外輪山が溶けて大量の土砂が勇払原野に流れ出たようにも見える。wikipwdiaによると、支笏湖は琵琶湖の次に水量の多い湖だそうだ。たっぷり溜まった水が外輪山を押し流して、海だった勇払原野を埋め立てたと想像してみた。
また、羊蹄山が広大な平地の真ん中にそびえていて、他の山とつながっていない様子もわかる。富士山でさえ、麓はもっと多くの山に連なっている。山が盛り上がると同時に大量の火山灰が周囲の地形の上に降り注いて、平地にしてしまったと想像がつく。
地理院の地図は、白地図から一般的な地名入りの地図、さらに陰影や色分けで高低差を表現したものなど、ボタンひとつで切り替わるので、今までよく知ってるつもりの地域も、意外な形をしているのに気がつくことがある。
