札幌雪まつり実行委員会は、2022年の開催にあたって、札幌時計台の原寸大雪像を製作すると発表した。
2021年の札幌雪まつりは、50年以上続いてきた大雪像の製作を中止。オンライン等での開催となったが、ワクチン接種による感染沈静化が見込める2022年の開催にあたっては、従来どおりの大雪像公開を行うとともに、これまでにない規模の原寸大の札幌時計台雪像を製作することとなった。札幌時計台はこれまでも何度か大雪像のテーマに取り上げられたが、原寸大の雪像製作は初めての試みである。
従来の方法では重量、耐久力などから、原寸大の時計台を作るのが困難だったが、このたび自衛隊雪像チームのほか北海道大学低温研究所、北海道寒冷地建築研究所などの協力で、内部に空洞を持つ新しい外壁パネル工法を開発。従来の雪像に比べ重量が軽減し、いままでにない大型雪像の製作が可能になった。雪はパネル状になることで溶けやすくなるが、内部からマイナス70度の冷気によって常時冷却される。この冷却装置には、COVID-19ワクチンの輸送に用いられた大量の保冷容器並びに専用の超低温リーファコンテナを転用。ドライアイス充填システムを、外部に向けて使うことで実現した。パンデミックの負の遺産を文化の継承や発展に活かす、画期的な試みとして話題を呼んでいる。

なお本システムの開発により、夏期でも屋外の氷雪像を溶かさずに展示する可能性が生まれた。実行委では、これまで北海道民の夢と呼ばれた「夏の雪まつり」の実現も検討中とのことである。
(4月1日はエイプリルフール)