エウロパ・クリッパーも3I/ATLASを観測

3I/ATLASは太陽系外からやってきた史上3番目の天体で、銀河系を70億年もさまよっているとも言われるが、太陽系に近づくのは今回限り。2024年10月に打ち上げられたエウロパ・クリッパーは、2030年4月に木星系に到着し、氷に覆われた衛星エウロパの探査を行う予定で航行中だったが、チームは、探査機に搭載されたカスタム機器を独創的に再利用し、太陽系を高速で移動し、二度と戻ってくることのない3I/ATLASを調査するという、またとない機会を活かすことに成功した。

エウロパ・クリッパー、無事発射

木星の衛星「エウロパ」を調査する、NASAの宇宙船エウロパ・クリッパーが、10月14日、NASAのケネディ宇宙基地から発射された。発射後も、無事太陽電池パネルを展開し、宇宙船からの通信を受信した。
宇宙船は火星を目指し、その重力を利用して軌道を修正。木星への旅に向かう。木星到着は5年後で、そこからはエウロパと同じ木星の衛星軌道に入り、数10回の接近を繰り返しながら観測を行う。

エウロパは地下に大量の水があるなど、多くの謎を秘めながらこれまで本格的な調査がなされなかった衛星。エウロパ・クリッパーはこれまでの宇宙船で最大となる全長約30メートル。エウロパの表面をくまなくマッピングする予定である。
予約投稿をしそこなって公開タイミングが遅れてしまったが、これから始まるエウロパ・クリッパーの長い旅に比べれば誤差のうちだ。

クリッパーとは細身の船体に多くの帆をつけた帆船の形式。インドからイギリスまで、より早くお茶を運ぶことを目的に作られ、快速帆船とも呼ばれる。有名なカティ・サーク号は、蒸気船ではお茶に鉄の味がつくとして、蒸気船の時代になっても使われ続けた。エウロパ・クリッパーも、木星系の海のある衛星の探査ということで、船の名前がつけられたのだろう。

パーカー・ソーラー・プローブ、太陽への21回目の接近を完了

NASAのパーカー・ソーラー・プローブは9月30日に太陽への21回目の接近を完了し、太陽表面から約451万マイル(726万キロ)まで接近して自身の距離記録に並んだ。今回の接近観測が終わると、宇宙船はふたたび太陽から離れて金星の重力で最後の軌道変更を行った後、太陽への接近と観測を3回行った後は重力に捉えられて太陽に突入する運命にある。

2015年の発射時点では、随分先のことと思っていた計画の終了が見えてきた。宇宙船には、世界中から集まった一般人の署名データが搭載されていて、私もその一人である。ちなみに日頃当サイトでは個人情報につながる情報は慎重に避けてきたので、もし身バレすることがあるとすれば、この宇宙船から以外に考えられない。
それはともかく感無量である。だが今年10月、同じくNASAによる木星の衛星エウロパ観測船が発射されるが、ここにも署名させてもらった。宇宙は広く、人間の探究心にも限りはない。太陽が済んだら木星へ。漠然とした話で膨大な費用もかかるだろうが、同じロケットなら他国に落とすより宇宙に飛ばしたほうがマシだろう。ささやかな署名だが、少しでも後押しできればいいと思う。