ヴィオラー?への道

バイオリン奏者はバイオリニストだが,ヴィオラの奏者は?ひょっとして「ヴィオラー」か,というのがタイトルの解題だが,実際は「ヴィオリスト」と呼ぶらしい.知らなかった.

さて,ついにヴィオラが届いた.ダンボールとテープでがんじがらめに梱包され、けっこうな大きさの割に,空っぽかと思うほどの軽さである.梱包を解くとバイオリンの時とそっくりの黒いケースに入った,バイオリンそっくりのヴィオラが出てくる.デジャヴかと思うほどだが,すべてのサイズが一回り大きい.長さは1インチ(2.54センチ)大きいだけだが,幅と厚みがバイオリンとは大分違う.

そして、弦が太い.バイオリンとくらべて,同じ音程の弦は同じような太さなのだが,一番細い弦がないかわりに,針金くらいの太さのものが増えている.それだけで,ぐっとゴツくなった印象を受ける.弓も棒がやや太くて,毛の部分の幅が広く,パワフルになった印象だが,長さはバイオリンのよりもちょっと短い.そういうものなのだそうだ.

ただし,やはり写真はお見合い写真だったようだ.フォトショップではないにしろ,同モデルの会心の出来のものを,凄腕カメラマンが撮ったという感じだ.現物はニスの塗にムラがあるようだし,ニス塗の前のちょっとした汚れがそのまま塗り込められてしまったところもある.多分ちゃんとしたヴィオラなら,毛ほどの汚れもないのだろう.そのへんは,入門用にも程遠い2万円の楽器ということなのかもしれない.

だが,ヤバいことには変わりない.きれいな木目を2枚継ぎ合わせた裏の板も,穴から覗いてみると,ちゃんとそういう板を貼り合わせて削っていることがわかる.十分,いや、十分以上のヤバさである.問題は弾きこなせるか,いやその前に音は出せるのか?

次回「ヴィオラの音出し」(7/18公開予定)
乞うご期待!

ヴィオラへの道 その3の2

eBAYのバイオリン・メーカーは,落札できなかったオークション出品物と同じような価格帯のヴィオラをすぐに出品してきた.ただしこれはオークションではなく,定価販売.サイズは15インチでやや小さいが,価格は落とし損ねたオークション品の落札価格とほぼ同様の199ドル,2万1千円.落札までの経緯をみて,同様のプライス・ゾーンに需要があると知り,すかさず出してきたのだろう.出品したことがないのでわからないが,もしかしたらそこまで自動的に予約できてるのかもしれない.いろいろ考えさせてくれて,実に勉強になる.勉強代も含めて,これを購入することにした.
ビオラまずはこの雄姿を見てほしい.見る人が見れば分かるのかもしれないが,素人目には一分の隙もない.画像をクリックして拡大するとわかるが,楽器の一番下の黒い三角形の部分に,象嵌した二重丸がついている.ビオラの印なのかよくわからないが,これがヤバい.
また,弦の下端を止める部分に,真鍮製のネジが一個だけ付いてるが,これは上のペグだけではできない音程の微調整をするためのもの.激安バイオリンではそれが全弦についていたが,これは1本だけ.もう慣れてるから,他の弦はペグだけで調律できちゃうんだよね,ということを物語っている.それがまた実にヤバい.
ものすごくいいと思ってるが,表現する知識がないので,低能語で言うしかないくらいヤバい.

次回「ヴィオラーへの道?」(7/14公開予定)
乞うご期待!

ヴィオラへの道 その3の1

さっそくeBAYで15インチくらいのヴィオラを探すことにした.15インチにしたのは,バイオリンと同じサイズなら14インチだが,16以上ないと本格的な音がでないというので,中をとって.16以上を買っても,指が届かない恐れもあるし,どうせ安物しか狙わないのだから.

今回注目したのは,yita-musicというメーカー.所在地は中国らしい.100万円を超える製品もあるが,$0.99という低いスタートでオークションも出品している.「Top rated seller」(上位に評価されている販売主)でもある.なので,この業者のページよく落札される,2万円程度の価格帯を狙ってみた.販売がメインで,一部を客寄せのオークションに出しているらしい.同様の価格帯で買える製品もそろっている.

もちろん2万円程度では,初心者用にも届かない安物だが,写真で見る限り木目の具合などがなかなかいい.今持っている激安バイオリンのほうは,表面に光沢のないニスが塗ってあって,それがネット上でも評判を落としていたが,ヴィオラにはいかにもそれらしい光沢がある.写真を修正しまくりし,他のアイテムと使い回ししてないかチェックしてみたが、一応アイテムごとの専用の写真のようだ.で、いくつかウォッチリストに入れてチェックすることにした.eBAYではウォッチリストに入れたアイテムと似た商品をしょっちゅう提案してくる.ちょっと鬱陶しい気もするが,同じような価格帯で中古が出たら,それも狙えるのが便利だ.

その後,一度15.5インチのオークションに入札してみたが,落札できなかった.結局2万円程度で落札されたので粘ってみてもよかったのだが,あまり熱くなるのもまずいので,クールに手を引くことにした.入札終了時間は大抵深夜や早朝で,以前ケースを落札した時は最期まで付き合ってみたのだが,少々体力がしんどい.入札できる上限額を設定しておいて,他の入札があったら,それよりちょっとだけ高い額で自動的に応戦する仕組みもあるのだが,これは言い換えれば誰か2番めに高い上限額を設定した人の額まで,自動的に駆け上るということだから,なんとなく胡散臭い.自動入札者がいるかどうかを確認する方法もあるが,「金を払うための便利なシステム」は信用しないことにしている.

そんな風にネット販売について勉強しつつ、オークション・チェックを楽しんでいたら,さっそくメーカーが動いてきた.

次回「ヴィオラへの道 その3の2」(7/10公開予定)
乞うご期待!