蝦夷家紋「上り鮭」

日本の家紋には動植物から自然現象、家財道具まで様々なモチーフがあるが、北海道にちなんだものはない。開拓使設置から150年以上経つのだから、北海道にちなんだ家紋があってもいいと思う。そこで将来、伝統的な家紋に紛れ込んでくれることを期待して、蝦夷家紋を作ってみた。第二作は「上り鮭」である。

毎年秋になると、北海道のあちこちの川で鮭が遡上が見られる。国内でも日本海側の河川で見られるが、やはり本場は北海道だろう。食品としての鮭は、遡上する前の、海で回遊中のもののほうが味が良く価値が高いが、わずかの間に赤い婚姻色をまとい、面構えも険しい鼻曲がりになり、命を削って川を遡るその時が、鮭の晴れ舞台だろう。ということで、鮭の遡上を家紋のテーマにした。

向かい合った2つのものでできた家紋は「向かい○○」と呼ばれることが多いが、「ムカイザケ」になってしまうので、上り鮭と名付けた。遡上した鮭らしく鼻曲りにして婚姻色も表現し、メスとつがいで、といろいろ考えたがくどくなるので、シンプルにまとめた。まだ河口あたりにいて、ワクワクドキドキの若いカップル鮭である。

蝦夷家紋「三つ帆立」

日本の家紋には実に多くの種類がある。そのモチーフは、動植物から自然現象、家財道具まで様々だが、北海道にちなんだものはない。歴史が浅いので仕方がないかもしれないが、開拓使が置かれてから150年以上経つのだから、北海道にちなんだ家紋があってもいいと思う。そこで今からそれらしいものを作っておき、将来、伝統的なものに紛れ込んでくれることを期待して、蝦夷家紋を作ってみた。

第一弾は「三つ帆立」。西欧では食用としてはもちろん、ヴィーナスの誕生にも描かれるなど神話でもなじみの深い貝である。日本では、ペリーが来航した際、函館港でサンプルを採取したというから、もとからいたのだろうが家紋になるほど馴染みはなかったようだ。
現在、北海道の養殖帆立は、日本全体の水産物輸出の過半を占めているほどだから、蝦夷家紋にふさわしいモチーフだが、1つだけだとどうやっても石油会社になってしまうので、3つを配してみた。三つ葉葵紋なさがらのもっともらしさになったと思う。