今回の李子柒は生姜。春に植えたものが、冬には何倍もの子をつける。日本の生産地はほとんどが四国だからか、栽培の様子を初めて見た。収穫した生姜の絞り汁に、金柑と棗、砂糖を入れて煮込み、それぞれ姜桔醤と紅糖姜棗膏に仕上げる。どちらもジャム状だが、醤と膏で名前が違うのは、ジャムや調味料、民間薬など、使いみちが色々あるのだろう。米と一緒に空煎りした米姜茶は、こちらでも出回っている生姜茶と違って、香ばしそうだ。このほか、豚足の醤油煮、アヒルの豆板醤炒めにもたっぷり生姜を使う。最後は大量の絞りカスを煮出して、足湯に。全く無駄がない。
生姜がは日本でもおなじみだが、使い方の幅広さが違うようだ。また、今回は棗も使っている。棗は中国ではごく一般的な食材で、料理もそうだが、物語にもよく名前が登場する。三国志の関羽の風貌も、棗のように赤い顔と紹介されていた。
生姜も棗も、いろいろな漢方薬に使われる生薬でもある。このシリーズの料理シーンでは、こういう薬になる食材を使うことが多い。すっかり洋食化してしまった自分の食事とだいぶ違うので、ちょっと心配になるほどだ。バターやとんかつソースにもそれなりの薬効があればいいのだが。

