李子柒 / 生姜

今回の李子柒は生姜。春に植えたものが、冬には何倍もの子をつける。日本の生産地はほとんどが四国だからか、栽培の様子を初めて見た。収穫した生姜の絞り汁に、金柑と棗、砂糖を入れて煮込み、それぞれ姜桔醤と紅糖姜棗膏に仕上げる。どちらもジャム状だが、醤と膏で名前が違うのは、ジャムや調味料、民間薬など、使いみちが色々あるのだろう。米と一緒に空煎りした米姜茶は、こちらでも出回っている生姜茶と違って、香ばしそうだ。このほか、豚足の醤油煮、アヒルの豆板醤炒めにもたっぷり生姜を使う。最後は大量の絞りカスを煮出して、足湯に。全く無駄がない。

生姜がは日本でもおなじみだが、使い方の幅広さが違うようだ。また、今回は棗も使っている。棗は中国ではごく一般的な食材で、料理もそうだが、物語にもよく名前が登場する。三国志の関羽の風貌も、棗のように赤い顔と紹介されていた。
生姜も棗も、いろいろな漢方薬に使われる生薬でもある。このシリーズの料理シーンでは、こういう薬になる食材を使うことが多い。すっかり洋食化してしまった自分の食事とだいぶ違うので、ちょっと心配になるほどだ。バターやとんかつソースにもそれなりの薬効があればいいのだが。

李子柒 / 火鍋

今回の李子柒は火鍋。丸鶏からとった湯スープと唐辛子ベースのスープ は、どちらもおそろしく手がかかっている。

最初に出てきた赤い実は、ナナカマドかなと思ったが、ジュースにしていたのでフサスグリではないかと思う。このへんはあまり詳しくないので、ネットの情報からだが。

白湯スープには紅棗(ナツメ)、高麗人参、干し椎茸、干しエビ、蓮の実、ハトムギ(ヨクイニン)、枸杞(クコ)。唐辛子スープには牛脂、唐辛子、生姜、ニンニク、八角、月桂樹の葉、丁字(クローブ)、 桂皮(シナモン)、花椒、黒胡椒、クミン、梔子(クチナシ)と、何だかわからない銀杏みたいなもの。どれも漢方薬の素材ばかりで、いかにも体によさそうだ。逆に、すっかり洋食化してしまった自分の食事では、口にしないものばかりなところが気になる。食べたほうがいいだろうか。それともカレーを食べてるから大丈夫かな。

ゴム長を履いて木の枝をへし折り、ニワトリをシメる若い女性の動画。事前にいろいろ準備しておきながら、説明もなしに場面をどんどん進め、タイアップもない。既存のメディアではあちこちにケチがついて、決してこんなふうにはできなかったと思う。

李子柒 / 馬乳酒、仔羊の丸焼き

今回の李子柒は馬乳酒。馬乳酒と言えばモンゴルの発酵酒が有名だが、この動画は舞台が四川省なせいか、蒸留酒だった。お婆さんの民族衣装が独特だったので、画像検索すれば何族かすぐわかるだろうと思ったが、四川省にはイ族、姜族、チベット族など、かいろいろな少数民族がいるらしく、どれも派手な柄の服を着ていて区別がつかなかった。

馬乳酒と言えば、以前母がツアーでモンゴルに行った際コンダクターから、現地の人は平気だが日本人はアメーバ赤痢にやられるから、勧められても馬乳酒は絶対飲むなと言われていたにもかかわらず、同行者がみんなヤラれてしまった。母は、大学の研究室に務める叔父が、内緒で試薬を使って調合した薬を持って行ってたので無事。その時薬を配った人からは、未だに丁寧な手紙と貢物が送られてくるらしい。

こう書くとちょっと良い話風だが、帰ってからそういう危ない話を聞かされる息子としては、たまったものではない。ダメだと言われたものを飲んだり、怪しい薬を持ち込んだり、他人にも飲ませたりと、問題だらけである。小言を言ったら、流石に母も反省し、次からは息子に内緒で危ないところへ旅行するようになった。