李子柒/季節の果物と野菜/蜀刺繍/筍づくし

李子柒の更新はこれまで2週間に1度程度だったが、このところ1週間に3回のハイペースである。 ハイペース更新の最初は、季節の野菜と果物。いつもの雰囲気だが、オリジナルブランド品の紹介があった。とはいえ、あくまでさりげなくだが。
2番目の動画は四川省特産の中国刺繍。以前に養蚕の動画を紹介したが、動画の舞台となっている綿陽市は、蜀の時代から続く刺繍の名産地だそうだ。日本では記録もろくになかった時代に、関羽や諸葛亮が闊歩し、そのすぐそばでこんな風に刺繍を作っていたのだと思うと、中国の生活文化の奥深さを感じる。
3番目は麻竹の筍づくし。ラーメンのシナチクの原料にするもので、日本で一般的な孟宗竹の筍とは違う。こんなに育って食べられるのかと思うようなのを収穫し、食べごろのように見える小さな筍は残していった。同じようでいて、日本とはいろいろ違うようだ。

youtubeにはいくつか李子柒のパクリ動画ががあって、中にはお婆さんをおじいさんに変えただけで、全く同じコンセプトのものまであるが、昨年くらいのスタートにも関わらず、ハイペースで更新を続け、本家と同じくらいの数があがっている。しかも視聴数も数百万に達するものもあり、本家に迫る勢いである。 youtubeの同ジャンルのおすすめ機能のせいで、後追いがしやすいのだろう。本家のハイペース更新も、それらへの対抗かもしれない。

李子柒 /トマトと夏野菜のメニュー

今回の李子柒は、トマトと夏野菜を使ったメニューがいろいろ。

昔から「蜀の犬は日に吠える」(四川省は曇りや霧の日が多いため、太陽を見慣れていない犬が晴れになると吠えるほどだ)と言われるほど日照時間の短い四川省が舞台だが、このシリーズではこれまでもいろいろな食材を天日干しさせている。お婆さんと二人で食べ切れるのかと思うほど収穫しても、きちんと保存食にするところに好感が持てる。
ただし、最近は動画は時間が長い上に作るものが増えているので、最初の方で仕込んだものが結局どうなったのか、こちらの頭が伏線を回収できなくなることもある。

ちなみに丸鶏や骨付きのリブロースをバンバン包丁で断ち切っていくが、あれはこの人が乱暴なのではなく、中国の女性ではごく普通。昔、日本にいる中国人主婦が豚の頭を丸ごとさばいて料理してくれたが、脳みそを食べないともったいないとばかりに、肉を剥ぎ取った頭蓋骨に一撃をくれたとたん、我が家の国産中華包丁が欠けてしまった。日本が誇る合わせ鋼の名刀も、中国女性の一撃に耐えきれなかったのである。普通の奥さんだったんだけどね。

※年間日照時間:中国四川省1055時間、日本1800時間、世界平均2500時間