明日は七草.この日に春の七草を粥にして食べると長生きするという.御伽草子の七草草子に,この習わしの由来がある.中国の楚の国にいた親孝行者が,百歳を超えて衰えてきた両親をなんとか長生きさせようと,山で苦行をすると帝釈天から七草粥の製法が告げられた.それによれば
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- 毎年春のはじめに七種の草を食べること。
- 1月6日までに7種類の草の集めておくこと。次の時刻に柳で作った器に種を載せ、玉椿の枝で叩くこと。(玉椿は普通の椿の美称)
- 酉(とり)の刻から芹(セリ)
- 戌(いぬ)の刻から薺(ナズナ)
- 亥(い)の刻から御形(ゴギョウ)
- 子(ね)の刻から繁縷(ハコベラ)
- 丑(うし)の刻から仏座(ホトケノザ)
- 寅(とら)の刻から菘(スズナ)
- 卯(う)の刻から清白(スズシロ)
- 辰(たつ)の刻からこれらの種を合わせ、東から清水を汲んできて、これを煮て食べること。
この製法で作った七草粥で,一口で10歳,七口で70歳若返えったという話である.
これだけのことなら,なんとか夜更かしすればできそうだが,大きな問題がある.昔の時刻の表し方は「十二時辰」といい,日没を酉の刻,日の出を卯の刻とし,その間を6等分して表す.つまり現在の時計と違って,年と日付,場所によって時刻が変わってしまうのである.
そこで2017年1月6日酉の刻から1月7日の辰の刻まで,日本の県庁所在地での,十二時辰によるそれぞれの時刻を計算した.ネットで情報収集し,EXCELで計算したからできたようなもので,昔なら到底やる気にはならない.ありがたい時代である.
これさえわかれば,不老長寿も思いのまま.百歳,二百歳が当たり前になれば,現代日本の高齢化問題など屁の河童.「キレる高齢者」の問題も,「怒れる若者たち」にすぎなくなるだろう.現在百歳で親孝行な子供のいる方は,ぜひ試してほしい.
次回「バイオリンと寄る年波」(1/11公開予定)
乞うご期待!