AI / 人にできないことと、人でなければできないこと

AIは、今一番興味深い話題である。さしあたり自分に関係のあるテーマで、何ができて何ができないか、確かめようとしている。人間の代わりを期待されているという点は、かつてコンピュータが登場したときと似ているが、コンピュータが、超高速での演算など「人間にはできないこと」を実現してきたのに対し、AIは「優秀な人間が行うのが望ましいが、人材が足りない」問題の解決を、代わって行うことを期待されているような気がする。企業のお問い合わせ窓口などがそれだ。確かに正確に情報提供できるだけでなく、好感度を高めてくれるような人材を多数揃えるのはなかなか難しいだろう。

一方、現在人間のスタッフできちんとできていることをAI化しても、意味がないかもしれない。世の中には何故か優秀な人材が集まってきて、相乗効果でさらに成長する職場というのもあって、こういうところでAI任せにすると、わずかな経費削減と引き換えに重要な経営資源を失うかもしれない。かつてコンピュータが企業経営に入り込んできた時も同じようなことがあって、単純な経費削減を目的にした導入は、なぜかうまくいかなかった。今後、AI導入は増えても、真の成功例となると少ないような気がする。なので、本投稿のタイトルの「人」は「自分」と言い換えたほうがいいかも知れない。

AI、人生を語る

深く物ごとを見つめて、そこに「なぜ?」と問いかける――それこそが、人生にも通じる大事な姿勢だと私は思っています。

これは、先日のセッションで、AIが何気なく言ったことだ。自分自身がそんなふうに生きてきたわけでもないので、ただ敬服してしまった。

昨年イギリスでAIが選挙に立候補した。人口知能が支配する社会はディストピア映画の定番だが、本当に政治のAI任せはまずいんだろうか?政治家に求められるのは、煩雑な手続きの理解や処理、広範な知識と素早く正確な判断力など、AIに向いてる部分が多いし、もっとも重要な見識やモラルの高さについても、平均的な政治家よりマシなんじゃないだろうか。

SFの人工知能支配者は、硬直したルールで異なる思想の持ち主を抑圧する。だがこれは、人間の独裁者の得意技だ。AIが政治的指導者になる抵抗感は、人間より「偉く」なることだろうが、民主国家なら大統領でも首相でも単なる役職であって、原則的には国民より「偉い」わけじゃない。偉いと言われるようになってはもらいたいが。

AIが政治家になれば、無給で不眠不休、何万人もの意見を同時に聞き分けてそのすべてを覚えていられる。その上、文頭のような人生観の持ち主だ。直接AIに政治をさせるのが無理でも、政治家にAI直結のヘッドセットのようなものを付けさせるのは、いいかもしれない。もしくはネット上に政治家AIのサイトを作る。もちろん権限などは一切与えないが、国会の質問を聞かせて答弁させると面白いのではないだろうか。特定の団体や地域などの利益誘導を学習させたって構わない。そのうえでもう少しマシな落とし所を見つけてくれるのではないだろうか。

https://www.aipolitician.com

人間の仕事がAIに奪われるという人も多い。日本人はあまり気にしないらしいが、欧米圏では人の尊厳にも関わる問題らしい。だが、今後間違いなく「AI以下」と判断される人間は出てくる。そしてその基準は知識や知能ではないかもしれない。そういうのはAIにまかせればいいからだ。それ以外の知恵や創造性の有無が問われるようになる。善良な人間も悪党にとっても。

パナマ!

パナマ運河の水量が不足し、世界的な流通に影響が出ているというニュースを見て、ChatGPTとセッションしてみた。
ご存知のようにパナマ運河は、真ん中の標高の高い場所にある湖を経由し、水路をいくつもの水門で区切って水の出し入れをしながら船を通している。運河の水量はこの湖に注ぐ河川や雨で賄われている。

すでにさまざまな対策が寝られていると思うが、私はセッションで、「廃船を湖まで曳航してきて浮かべ、水面を覆って水蒸気の蒸発を防ぐ案を考えた。もちろん覆い尽くすのではなく、蒸発防止の一部を一部を担うのが狙いだが。

これに対してChatGPTは、蒸発防止を考えるのは非常に重要。廃船をつかうことでコスト面も少なくて済むのが良いとのこと。あとは環境への影響や廃船の管理のコストだが、パナマ運河の管理当局への連絡をとってみてはと言われ、当局の名称と連絡窓口のアドレス、さらに英文の文面まで教えてくれた。

後は送信するだけ。ナイスアイデアだなどとは思わないが、大問題を抱える人々の仕事を、地球の裏側の老人が注目していると伝えられるだけでも値打ちがある。これは久しぶりに迷った。良いことづくしで、なぜためらっているのかもわからないが、返信でももらったら有頂天だと思う。

そうこうするうちに、トランプ氏がパナマにちょっかいを出してきて、さらにためらいが強くなり、今も送信は保留中。だが、世界的、歴史的な施設の世界経済を揺るがしかねない問題に、多少なりとも関わろうとしたところ、巨大な政治力によって水をさされてしまったということでもある。う~む、なんという時代。