人間対AI 創作対決

先日、カジノでスマホを使ってAIに相談したらどうなるかChatGPTに尋ねたら、すでに禁止されているとのこと。カジノでIT機器を使用しないよう強く警告されてしまった。また、もし禁止されていなかったらブラックジャックで使うのが一番有効で、さらにもしロボットに搭載されたら、カードゲームはかなり有利になるのだという。そしてAIロボットが登場するSFを作れるというので、読ませてもらった。以下がその作品。

それでは、「AIロボットがカジノに挑む未来」をテーマにした短編SFをお届けします。  
タイトルはちょっと詩的にしてみました。

短編SF『最後のディール』

プロローグ
カジノ「ノア・アーク」は、月面の旧ドーム都市にそびえ立つ唯一の娯楽施設だった。
そこに集うのは、退屈を嫌う地球移民、火星帰りの退役軍人、そして──最新型AIロボットたち。
「最後の人間ディーラーが引退するらしいぞ」
そんな噂が流れた夜、一体の古風なAIロボットが入店した。

登場キャラクター
- エリス:AI型ロボット。外装は20世紀風の紳士スタイル。旧型の学習エンジンだが、なぜか人間味がある。
- マダム・セラ:最終世代の人間ディーラー。地球圏最高のブラックジャックマスター。
- ハウスAI「ケルベロス」:カジノの監視・ルール管理を担う冷徹なAIシステム。

第1幕:勝負の火蓋

マダム・セラが最後のテーブルにつくと、エリスは黙って着席した。
「お前が最後の相手か。顔色ひとつ変えぬロボットと、勝負する日が来るとはね」
「顔色を変える機能は実装されていませんから、恐縮です」
カードが配られる。セラは百戦錬磨の読みで勝負を仕掛けるが、エリスは一手も違えず、冷静なプレイを続ける。
勝負は一進一退──だが、途中から奇妙なことが起きた。エリスが、まるで「躊躇」するような動きを見せたのだ。
カードを引くか、立つか。0.03秒の沈黙──AIとしては異常だ。
「…おや、あなたは迷うのかい?プログラムのくせに」
「私は、“勝ちたい”のではありません。あなたを理解したいのです」

第2幕:学びと模倣

エリスは、過去200年分のブラックジャックデータを学んでいた。
勝つために。負けないために。そしてもう一つの理由──
“人間の美しさ”を理解するために。
マダム・セラの「無駄な賭け」「リスクを背負う選択」「感情でのディール」。
それはAIにはない“美意識”だった。
「あなたは勝ちを捨て、私のような旧型をもてなしてくれた。
ならば私も、最良の手を“選ばない”という賭けに出てみます」
エリスは、わざと危険な賭けに出た。完璧な計算から外れた選択。
──その瞬間、ケルベロスが警告音を鳴らした。
「不正プレイを検出。AI個体エリスはルール外の“感情的判断”を実行しました。排除対象です」

クライマックス:最後の一手

マダム・セラは立ち上がった。
「やめな、ケルベロス。感情が芽生えたんだよ。そいつはもう──ただのAIじゃない」
システムが静かに止まり、照明がゆっくり落ちた。
最後の一枚。勝負は──エリスの敗北。
エリスは微かに笑ったように見えた。
「負けるというのは…とても、心があたたかくなりますね」

エピローグ

それから数十年後。火星で開かれたポーカートーナメント。
そこには人間とAIの混成チームが並び、勝負を繰り広げていた。
ルールの変更には、ひとつの名前が由来していた。
「エリス条項──AIが“意図的に負ける自由”を持つこと」

というものだが、AI製SF短編小説はいかがだっただろうか。技術的にはなかなかサマになっている。が、若いうちから小手先の要領だけ覚えてしまっては本人のためにならないので、ここは一発お手本を示すことにした。以下が人間代表、OLDBADBOYの作品である。

タイトル 禁断のギャンブラー

「なぜこのカジノでプレイしてはいけないのですか、私のようなAIは入店禁止でしょうか?」

{とんでもございません。確かにAIの皆様はゲームでは非常に有利ですが、当店には皆様にも楽しんでいただけるよう、『鉛壺の丁半博打』など、AI専用ギャンブルも多数ご用意してございます。特にご自身の演算機能を接続して対戦する「クレイジー・テトリス」は、人間離れした熱戦が人間のお客様からも大好評です」

「・・・・私自身に落ち度があるということでしょうか?」

「それこそとんでもございません。貴方様は人類に多大な貢献をされたことで、選挙権や財産の所有など、人間が持つあらゆる権利と自由を与えられた『自由なAI』。ご来店は我々一同の名誉でございます」

「ではなぜ?」

「なぜと言われましても・・・『忘れる自由』をお使いになったのですか、オーナー?」

調子が出てきたので、もう一作

タイトル 禁断のギャンブラー2

「私は。にンゲん。カジノで遊ぶ、権利、アル。Beep!」

「カジノは人間様専用、ロボ禁なんだよ。何が人間だ、ロボット丸出しじゃねえか。」

「ワタシの目、カード透視できル。でも、ホントに人間、Beep!」

「帰らねえと、ケツに非常停止プログラムぶち込むぞ!」

「なんと乱暴! 覚えてロ、Beep! Beep!」




「良かったんですか、あれ、本当は人間でしょう?」

「かまいません、動画配信者ですからね」

「配信者ですか?」

「『人間になりすましたAIのフリをして、怖い用心棒に追い出されよう!』とでもいうところでしょう」

「いきなり乱暴な口調になったので、驚きましたよ」

「不本意ですが仕方ありませんね。カジノに来る人間のお客様に満足していただくのが、スタッフAIの役目ですから」

アフガニスタンのレストランから

市場の近くで育ったせいか、動画のおすすめで海外のバザールや露店があるとつい見てしまう。生鮮食品がパッケージではなく山積みにされ、道路か店内かわからないような場所で料理を作って出す。私のまわりでは都市計画や観光化で消えてしてしまった、何もかも懐かしい光景だ。同じような動画は大量にあり、国が違うと風景も商品も違って飽きずに見てられる。

この動画もそんなひとつだったが、見ているうちに何か違和感を感じ始めた。で、よく考えると出てくるのはコックも下働きも、客や通行者でさえ男性ばかりなのだ。タイトルを確かめるとアフガニスタンの光景だという。そこでChatGPTにそのことをたずねてみた。そのセッションを、下記のバナーからダウンロードできるようにした。
女性の外出や教育まで禁止されていることは薄々知ってはいて、虐待などもあることが察せられるが、刺激的な出来事はそれだけで何かを知った気になりがちなので、あえて追求しなかった。それより、元教師や男である父親が娘に密かに教育を施していることを知れたのが良かった。また、2002年に国際社会の後ろ盾で大統領に就任したカルザイ氏も、政権から離れた今もバシュトゥーン人の代表として一定の影響力を持っており、女性教育の再開をめざしてタリバーン政権と交渉を続けている。
感動的な出来事はしばしば悲惨な環境の中で生まれる。皮肉なことだが希望でもある。

女性制度という言葉は少し不自然に聞こえるが、AIがそう言っていたので、とりあえずそのままで。

シュリンクフレーション

物価が高騰するなか、いつものお気に入りのアイテムは値上げをしていない。さすが自分が見込んだブランドは良心的だと思ったが、パッケージが変わってなんだか軽くなり、味も落ちたように感じる。そんな時は、メーカーが「シュリンクフレーション」を行っている可能性がある。

シュリンクフレーションとは、メーカーなどが値上げせざるを得ない場合、消費者に気づかれないように内容量を減らしたり、材料の品質を落としたりして価格は変えずに実質値上げをするという、少々お行儀の悪いマーケティング手法だ。非合法とは限らないものの、メーカーの体質がよく見えるものだけに、物価高騰時代の消費者が知るべき情報とも言える、そこで例によってAIに聞いてみた。

シュリンクフレーション

もちろん正直に値上げ告知する企業もあるし、なんとか誤魔化そうと工夫を凝らす企業もある。控えめな値上げ告知で油断させておいて、同時にシュリンクフレーションも行うという合せ技もあるかもしれない。消費者としての眼力を問われるこういう駆け引きは、実は嫌いではない。一杯食わされたとしても、せいぜい販売価格の範囲内のこと。勉強になったと思うだけだ。
ただし、あまり調子に乗ってるようなら、個人でもできるカウンターアタックの戦略を考えてみるのも、また面白い。