2月25日、太陽の表面から850万キロに近づいていたParker Solar Probeは、突然起こった太陽風に正面からさらされたが、衝撃に耐えて、正常な活動を続けている。これはParker Solar Probeのこれまでの航行の中で最大のイベントで、その衝撃波地球を超えて、NASAの火星調査船MAVENなど、多くの宇宙船でも観測された。
Parker Solar Probe
史上初、PSP太陽に接触
NASAの太陽観測船「パーカー・ソーラー・プローブ」は、太陽の一部であるコロナ層に初めて接触した。それに関する動画があったので紹介する。
太陽には地球のような固い地表はなく、全体がプラズマというガス状物質からできている。これは中心部からはなれるほど希薄になり、大気のような層となる。これが「太陽コロナ」である。コロナ層は太陽の光珠部分から遠くまで広がっていて、それがどこまで続いているか、つまり太陽の本当の大きさは謎だったが、パーカー・ソーラー・プローブがその一部に接触し、初めて太陽の大きさを知ることができた。
パーカー・ソーラー・プローブが出発したのは2018年8月。その際世界中から署名を募集し、メモリーに書き込んで出発した。その中には私の名前もある。その時には「コロナに接触」の報を聞けばさぞかし感動的だろうと思っていたが、まさか微妙な気分になるとは思ってもいなかった。「接触」と書くから薄気味悪くなるので、「尻尾をつかまえた」とか「征服した」とか思うことにしよう。

パーカーソーラープローブが5番目の金星フライバイを達成
NASAの太陽観測宇宙船、Parker Solar Proveは、10月16日、金星の重力を利用したフライバイに成功した。今回のフライバイで、宇宙船は時速9,720キロメートル減速。前回8月のの太陽への接近時よりも190万キロメートル近づいた軌道をめざす。
惑星重力を使ったフライバイは、宇宙計画でも特にダイナミックな出来事だ。たとえばテーブルの上に惑星に見立てて円柱型の磁石を置き、その周りを宇宙船に見立てたパチンコ玉を転がす。すると磁石に近づく角度や速度の違いで、吸い付いてしまったり、そのまま直進したりするが、程よい加減で転がすと、磁石に引っ張られて角度を変え、別の方向に向かって転がっていく。これを宇宙的規模で行うのがフライバイだ。
今回は金星の重力を利用して宇宙船の速度を落とした。低速で近づけば磁石にくっつきやすくなるのと同じで、今回はよりスリリングなフライバイだったと言える。2017年の発射のさらに前から、2024年の計画終了まで、計7回のフライバイを計算してきたのかと思うと、気が遠くなるようだ。
