史上初、PSP太陽に接触

NASAの太陽観測船「パーカー・ソーラー・プローブ」は、太陽の一部であるコロナ層に初めて接触した。それに関する動画があったので紹介する。

太陽には地球のような固い地表はなく、全体がプラズマというガス状物質からできている。これは中心部からはなれるほど希薄になり、大気のような層となる。これが「太陽コロナ」である。コロナ層は太陽の光珠部分から遠くまで広がっていて、それがどこまで続いているか、つまり太陽の本当の大きさは謎だったが、パーカー・ソーラー・プローブがその一部に接触し、初めて太陽の大きさを知ることができた。

パーカー・ソーラー・プローブが出発したのは2018年8月。その際世界中から署名を募集し、メモリーに書き込んで出発した。その中には私の名前もある。その時には「コロナに接触」の報を聞けばさぞかし感動的だろうと思っていたが、まさか微妙な気分になるとは思ってもいなかった。「接触」と書くから薄気味悪くなるので、「尻尾をつかまえた」とか「征服した」とか思うことにしよう。

署名者に贈られる搭乗券。文字取り史上最もホットなチケットだ。

パーカーソーラープローブが5番目の金星フライバイを達成

NASAの太陽観測宇宙船、Parker Solar Proveは、10月16日、金星の重力を利用したフライバイに成功した。今回のフライバイで、宇宙船は時速9,720キロメートル減速。前回8月のの太陽への接近時よりも190万キロメートル近づいた軌道をめざす。

惑星重力を使ったフライバイは、宇宙計画でも特にダイナミックな出来事だ。たとえばテーブルの上に惑星に見立てて円柱型の磁石を置き、その周りを宇宙船に見立てたパチンコ玉を転がす。すると磁石に近づく角度や速度の違いで、吸い付いてしまったり、そのまま直進したりするが、程よい加減で転がすと、磁石に引っ張られて角度を変え、別の方向に向かって転がっていく。これを宇宙的規模で行うのがフライバイだ。

今回は金星の重力を利用して宇宙船の速度を落とした。低速で近づけば磁石にくっつきやすくなるのと同じで、今回はよりスリリングなフライバイだったと言える。2017年の発射のさらに前から、2024年の計画終了まで、計7回のフライバイを計算してきたのかと思うと、気が遠くなるようだ。

https://blogs.nasa.gov/parkersolarprobe/2021/10/19/parker-solar-probe-completes-its-fifth-venus-flyby/

パーカー・ソーラー・プローブ、9度目のフライバイに成功

8月13日、メリーランド州ローレルにある、ジョン・ホプキンス大学応用物理研究所のミッション・コントローラーは、パーカーソーラープローブが9回目のフライバイに成功したと発表した。太陽の表面から約650万マイル(1,040万キロメートル)以内に到達し、時速33万マイル(532,000キロメートル/時)以上に達した。この軌道で、8月9日から8月15日までデータ収集が続けられる。