eBayオークション体験記

eBayで新しいバイオリンを狙ってみた。狙いはビオラを買ったメーカーの品で、定価販売とオークションを使い分けている。ビオラは定価だったので、今回はオークションである。おかげでネット販売の面白いやりかたに気がついた。バイオリン自体の話はここまで。

今回狙った品は0.99ドルという、超破格値からスタートした。同クラスのものは、これまで繰り返しオークションに出されていて、もちろんこんな価格で落札されたことはない。200~300ドルくらいだ。バイオリンの値段としては安すぎるくらいだが、私には手頃だ。

入札は、現在価格に手動で上乗せするだけでなく、上限価格を設定することもできる。誰かが自分の価格の上を行ったら、自動的に上限の範囲内でそれよりやや高い価格が入札される。オークション終了時間は平日の昼など、付ききりで入札できないことが多いが、最高価格を設定してあればシステム任せにできる。無理のない金額を設定しておけば、熱くなってセリあって、高い買い物をすることもない。

ただし他の入札者が最高価格を設定していれば、短時間で連続して小刻みな入札しあいになり、あっという間にどちらかの上限まで行ってしまう。そこで気になるのが、自作自演だ。業者は原価割れするような価格で落札されてはかなわないから、これ以下では売れない価格を上限に設定した入札者を用意して、本当の入札者をその値までセリ上げさせるに違いない。これがeBayのルール違反かどうかわからないが、もし入札が少なくて、値段が上がらないうちにおとされたら大損をすることだろう。当然の対策だが、露骨にやればユーザーの評価が下がる危険がある。

オークション期間は4日間で、初日は2~3ドルだったが、最終日の終了数分前には、126ドルになっていた。正価が400~500ドルなのでまだまだ安い。そこで135ドルで入札すると、たちまち137ドルが入札され反された。誰かの設定した上限にとどいていない。その後、何度かやりあって225ドルまで入札し続けたが、毎回すぐさま上を取られ、結局227ドルで誰かに落札された。
これは私の負けだが、もし落札したのが業者本人なら、225ドルで買う気のあった客を逃したことになる。また私からすれば、業者に対して225ドルなら買おうと提案したの同じだ。自作自演でなかった場合、ライバル入札者は、私が早く引き下がったので、まあまあの値段で手に入れたことになる。

そのとき落札したのが業者かライバルかわからなかったが、数日後業者から、同等製品をオークションに出したというメールが来た。スタート価格は199.99ドル。前回は8人が43回入札しあったが、今回は最終日になるまで誰も入札していない。これはもう、前回落札者が業者自身で、高く設定しすぎたと思って私を狙って出品してきたのに間違いない。そこで、終了時間が日曜の昼1時だったこともあって、終了3分前に200ドルで入札してみた。するとなんと、他の入札はなくそのまま落札できてしまった。

前回落札者が業者自身だったことを告白したも同然だが、ネット画面を通して私の意図をしっかり受け止めてもいた。また、すぐ同等商品を出してこれたのは、メーカーならではのことだ。入札者には転売組もいるらしく、eBayに、落札商品をそのまま出品するシステムもある。200ドルは同一商品の過去最低落札額だが、業者では私が過去にビオラを正価で買ってることはチェックできたろうから、ご愛顧感謝で、金額の釣り上げをしなかったのかもしれない。また、どの程度の製品なら買う相手かということもわかっていたはずだ。
商売が、既存の商品や市場のままではやっていけない時代になり、ネット販売に期待するところも増えたが、バーチャルな関係だからこそシステムを使いこなし、時代に合ったやり方で顧客のニーズをしっかり汲み上げられるところが強いと思う。

6 thoughts on “eBayオークション体験記

  • 3月 1, 2018 at 14:51
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    BMWのユーザーにはクレーマーも居ます。ポルシェのユーザーすべてではありませんが、おおざっぱな人もいるものです。と、言うのも「またシフトノブが抜けちゃったよ」とディーラーに現れたお医者さん。サービス・フロント・マン「またトレましたか?よくトレるんですよね」で話は決着。ベンツなどもオイル漏れが常識の時代もあったとか。

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    • 3月 1, 2018 at 16:12
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      アマゾンのレビューなどでは、星ひとつつけて、延々とこき下ろしてるのがいます。一方で満点つけて「何だかよく分かりませんがすごいと思いました」みたいな頭の悪いサクラもいて、面白いです。私の買った激安バイオリンセットのレビューには、時々怨念のこもったようなのがありました。このサイトも、チャンランポランバイオリニストは許せないという人が殺到して、炎上するのを密かに楽しみにしてるんですが。

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  • 3月 1, 2018 at 12:05
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    アマゾンで買った格安トランペットですが2度目の修理に出したのですが、修理完了で送ったとメールが来ました。明日到着予定ですが余り期待出来そうもありません。と言うのも、格安ゆえのいい訳付きメールだったからです。不満を数本コメントしておきました。狙っていたBachですが、これもバルブの上りが悪いとのコメントを見て、冷め気味です。Yamahaあたりが無難かな?とさえ思うようになりました。

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    • 3月 1, 2018 at 12:36
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      品質が安定している点では、YAMAHAはすごいですね。どのジャンルでも、楽器は見た目の良さや値段と音が一致しておらず、当たりハズレがあるのが普通のようですが、YAMAHAなら裏切られることはないですね。いずれにせよ、買うまでの楽しみというのは格別で、日々の張り合いになります。とりあえず一番大きな楽器の醍醐味じゃないでしょうか。

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  • 3月 1, 2018 at 11:14
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    すべては裏があるわけですね。そこまで読んで参加しないと、相手に完全に読まれて手玉に取られる可能性もあるわけですね。勉強になりました。鵜呑みにしがちなネット情報ですが、冷静に対応しなければいけませんね。僕が検索した商品がしつこく出てきますが、ネットで調べて市販品も調べた結果、大して価格も違わないこともわかって市販品を買ってしまったなどと言うこともありますね。実物を手に取ってみた方が安心ですからね。

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    • 3月 1, 2018 at 12:26
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      海外と日本の違いを感じますね。eBayでそれなりの評価を得ている業者は、ウソはつかないが、説明してないことについては業者の良いように解釈されてもしかたない、という感じです。また客もざっくばらんで、多少のことには目をつぶるようです。日本人のように、ちょっとした不備も猛烈なクレームをつける客はいないようです。例えば商品写真は、客が買う現品の写真ではないですが、日本ならそれと同じかソレ以上の品物が届く。海外なら、現物そのものの写真を、上下左右裏表から見せる、という違いがあります。しかしそれとても、この写真は現物だという表記がなければ、違うものが届くことがありますし、現物でも写してない面には汚れなどがあると考えたほうがいいです。いいかげんですが、以前、写真の品以上のランクのものが入荷したので、そちらを送ってきた業者もいました。形はまるで違うのですが、プロである業者がよりよいと思ったからそうしたのだそうです。日本ならそれでもクレームでしょうが、私は丸儲けでした。育った世代のせいでしょうが、私は細かいことは気にしない海外の商習慣も嫌いではありません。

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