自家製の醤(ジャン)

昔から自家製の唐辛子調味料を自作している。中華料理で言う醤(ジャン)というやつである。唐辛子、豆鼓(トウチ)、煎りゴマ、干しエビ、ニンニクやタマネギを揚げたものなど、決まったレシピはなく、減ってきたら唐辛子と他になにか適当な材料を足して使い続けてきた。容器だけは時折消毒したものに取り替え、残っている醤と新しい材料を混ぜ合わせ、表面まで油を足して冷蔵庫に保存する。分量が適当なので、時期によって激辛になったりピリ辛になったりするが、味に深みがあるので、餃子や包子に使うとシンプルなラー油よりうまい。

これも最初は唐辛子粉を多めの油で炒めただけの自作ラー油だったが、思いつきであれこれ足しているうちに、だんだんオリジナルな味になってきた。また、中華食材店に並ぶよくわからない醤をつい買ってしまい、あまり気に入らなかったときも、自家製醤のベースに混ぜ込むとシナジー効果を発揮して、より複雑で奥深い味わいになる。

回鍋麺と白糸くずし

クックパッドというレシピ投稿サイトがある.メニューの登録数は230万種類といい,およそないものはないというくらいだ.なにしろ日本中の料理自慢が投稿するのだから,家庭的なもの,プロ顔負けなものはもちろん,キャラ弁のように,新しい食のブームやクールジャパンのネタが,ひっそり埋もれていたりする.
ここに載ってないものを考えるのは至難の業なのだが,去年1つ考えた.ごくゆるく,味を濃い目に作った茶碗蒸しをギンギンに冷やしておき,そうめんのつけツユ代わりにする.名づけて「白糸くずし」.普通のツユよりも身体が冷え,栄養もとれる.夏の最中にもってこいの一品である.
そしてこのたび,クックパッドにないメニュー第2弾を考えた.名づけて「回鍋麺(ホイコーメン)」.レシピも何も,名前の通り回鍋肉をラーメンの上にかけたもので,甜麺醤を使うので味は炸醤麺(ザージャンメン)と同じ.どこかにあってもよさそうなものだが,見つけられなかった.日本中の腕自慢を敵に回して勝ったようで,実に誇らしい.
ちなみにクックパッドには載せない.以前はこういう参加型の新サービスが出るたびに試してみたのだが,最近はそれをやるとうるさいほどメールが押し寄せるようになる.手を変え品を変えて顧客情報を収集し,徹底的に使い倒す.が,それは,メディアとしてのネットの魅力を削ぎ,オールドメディアと同じ道を駆け足で進むことになるだろう.そろそろ根本的に考えなおしてもいいように思う.例えば,登録してくれたら,メールを送らないでいてやる,というように.