木星の衛星「エウロパ」を調査する、NASAの宇宙船エウロパ・クリッパーが、10月14日、NASAのケネディ宇宙基地から発射された。発射後も、無事太陽電池パネルを展開し、宇宙船からの通信を受信した。
宇宙船は火星を目指し、その重力を利用して軌道を修正。木星への旅に向かう。木星到着は5年後で、そこからはエウロパと同じ木星の衛星軌道に入り、数10回の接近を繰り返しながら観測を行う。
エウロパは地下に大量の水があるなど、多くの謎を秘めながらこれまで本格的な調査がなされなかった衛星。エウロパ・クリッパーはこれまでの宇宙船で最大となる全長約30メートル。エウロパの表面をくまなくマッピングする予定である。
予約投稿をしそこなって公開タイミングが遅れてしまったが、これから始まるエウロパ・クリッパーの長い旅に比べれば誤差のうちだ。
※クリッパーとは細身の船体に多くの帆をつけた帆船の形式。インドからイギリスまで、より早くお茶を運ぶことを目的に作られ、快速帆船とも呼ばれる。有名なカティ・サーク号は、蒸気船ではお茶に鉄の味がつくとして、蒸気船の時代になっても使われ続けた。エウロパ・クリッパーも、木星系の海のある衛星の探査ということで、船の名前がつけられたのだろう。