パーカー・ソーラー・プローブ、20回目の太陽への接近を無事完了

NASAのパーカー・ソーラー・プローブは、2024年6月30日に太陽への20回目の接近を完了し、太陽表面から約451万マイル(726万キロメートル)まで接近。時速394,736マイル(時速635,266キロメートル)で太陽の周りを移動し、距離と時速で。再び自身の記録に並んだ。さらにジョンズ・ホプキンス応用物理学研究所のミッションオペレーターは、探査機の状態が良好なことを確認した。

パーカー・ソーラー・プローブの軌道の図は、2024年6月30日に太陽から451万マイル離れた場所で宇宙船が20回目の太陽遭遇をすることを示している。
パーカー太陽探査機の20回目の周回軌道には、探査機が太陽から451万マイル以内に接近する近日点が含まれていた。写真提供:NASA/ジョンズ・ホプキンスAPL/スティーブ・グリベン

パーカー宇宙船は今年9月30日に同じ距離と速度でもう一度太陽の周りを飛行し、その後12月24日に予定されている残り3回の最接近のうち最初の接近を行う。それに先立って11月6日には、全ミッションで最後の金星フライバイを実行。太陽表面からわずか380万マイルの距離を時速約43万マイルで移動する軌道に乗る。

最初は果てしない宇宙の彼方への旅のように思えたミッションも、残り3回。だが、持ち込まれた膨大なデータをもとに、これまで知らなかった新しい太陽の姿をさぐる試みは始まったばかりだ。

2024年エウロパ・クリッパーの旅

2024年10月、NASAはフロリダ州のケネディ宇宙センターから木星の第2衛星「エウロパ」に向けて、探査機「エウロパ・クリッパー」を打ち上げる。この探査船には米国の詩人エイダ・リモン氏がエウロパに向けて書いた詩が、タンタルという金属のプレートに手書きの形で刻まれ、応募のあった人々の名前入りのマイクロチップとともに探査機の覆いの内側に納まる。この募集が昨年末まで行われ、私も駆け込みで参加した。

エウロパ・クリッパーは、地球から29億キロの旅を経て、2030年にエウロパに到着する。エウロパは月よりやや小さいサイズの氷で覆われた衛星。地球外での生命の探索に最適な場所の1つと考えられている、海洋世界が存在する衛星の1つだ。その周りを飛行し、氷の下の海に生命体が存在するか否かを調査する。その後2034年まで観測を続け、最期は同じ木星の衛星ガニメデに引き寄せられて衝突することになっている。

さて、そのガニメデだが、月などと同じく惑星の周囲を回る衛星としては、太陽系最大。水星よりも大きく、地下に大量の塩水があることなどから生命の存在も期待されていて、SF小説などでは、ガニメデ人が存在するというものもあった。もしそこに知的生命が存在するなら...探査船の衝突はテロである。
「大気も海も汚染されて、弱肉強食だの食物連鎖だのと未開な星だから放っておいたが、テロならただじゃおかないぞ」と報復に押し寄せるかもしれない。
「とりあえずこの名前の書いてあるヤツから血祭りだ!」

偶然私の名前が、ガニメデ人にとって最大の侮辱を意味してしまう、ということもあり得る