大失敗をやらかしてしまった.まだ新しくてニスもピカピカのビオラが,傷物になってしまった.弦の高さを下げようと,ブリッジを削ったことがそもそもの始まりだ.削り終えたブリッジの固化のために亜麻仁油を塗っておいたのだが,これが完全に乾燥しないうちに設置してしまい,本体のニスを溶かしそのまま固まっていたのだ.今回,ブリッジを削ってさらに弦を低くしようと取り外したら,ちょうどブリッジの脚の着いたところが2箇所,ニスが剥がれて下地の木が出てしまった.
亜麻仁油というのは非常に乾燥が遅く,完全に乾くまで一週間以上かかる.乾燥すると固く樹脂状に固まるのだが,今回は乾きが甘くてニスと一緒に固まってしまった.
ついでにブリッジをひっくり返して見ると,接触面が一部分で,いわばつま先立ちのように置いてあったことがわかった.置いた後,弦を巻き上げる力に引っ張られて,少し傾いてしまうらしい.(写真のブリッジの位置はおかしいが,弦を緩めすぎると中に立ててある魂柱がたおれるかもしれないのでそうしている)
ブリッジを削って低くしたおかげで,やや弾きやすくなったような気がする.また,それまで弾き始めに弓がかすったようになって音が出なかったことがあるが,ブリッジが傾かないよう気をつけて置いたので,その点は改善された.が,痛恨のきわみではある.悔い多き人生に,またひとつ後悔のネタが増えてしまった.
次回「タイムトンネル」(10/2公開予定)
乞うご期待!