先日あるサイトで、スパゲティを茹でるときに、一緒の鍋でレトルトを温めるのは是か非か、という記事があった。なるほど、コンロに茹で用とレトルト用を並べて火にかけるのは、無駄をしているような気がする。不衛生な気もしたが、たいてい箱に入ってるし、気になるならパックを水洗いすればいい。多分一人暮らしの若い人の記事なのだろうが、私も一人暮らしだったらやってただろうと思う。
そこで思いついたのが、先日紹介したスパゲティ・アサシーナ(暗殺者風)方式。レトルトの中身を鍋に開け、茹でる前のスパゲティを入れて水を足しながら煮込むのである。試してみたところ、なんなく成功した。カレーで試したときはでんぷん質が多くて焦げ付きやすかったが、問題なく成功。むしろコゲ風味が良い風味を出していた。
さらにペペロンチーノも試した。鍋にオリーブオイルとニンニク、鷹の爪、アンチョビを温めたところへ、乾燥スパゲティを入れ水を足す。ソースさえない、究極の暗殺者風。いわばゴルゴだが、これも問題なし。オーソドックスなレシピとどこが違うかわからないほどだった。
ところでナポリタンは日本独自のスパゲティのように言われるが、私はケチャップとはいえ鍋でソースと合えるナポリタンより、茹であげにソースを乗せるだけの「ミートソース」こそ、本場からかけ離れたスタイルだと思っている。そんな偏見のせいか、これまでカレーのレトルトは満足できても、ミートソースのレトルトは、パック臭さのようなものを感じてあまり美味しいと思ったことがなかった。
だが、そんなレトルトのミートソースを暗殺者風にしたところ、見違えるようになった。それまで気づけなかったメーカーの工夫や努力が余すところなく発揮され、「ひと皿」として成り立ってるのではないかと思えたほどだ。このやり方は暗殺者風だけに、スパゲティのキラーメソッドになるかもしれない。