ニューヨーク・グリーンマーケットから見えてくる、都心部のコロナ対応

ニューヨーク市では、40年以上前から毎週4日間、「グリーンマーケット」という屋外市場を開いている。ここでは周辺の小規模農家や食品生産者の商品が、地域住民に提供される。商品の多くは無農薬、オーガニックで、また、パプリカ類だけでも数百種というように、スーパーに並ばない作物があるのも特色だ。
ここには、近隣の住民のほか、一流レストランのシェフも顔を出し、そこから新たな食材を使った新たなメニューが開発される。ザガットを生んだ美食の都ニューヨークの原動力のひとつである。

そのグリーマーケットの運営組織GrowNYCからのメールによれば、今回のCOVID-19に関して、市衛生局からの新たな指示がない限り
・スタッフの手袋着用
・体調不良者の自宅待機
・消毒剤の設置
などの行動指針に基づいて、開催を続けることにしたという。

ニューヨーク・グリーンマーケットがごく一般的な対応策で開催し続けられるのは、屋外ならではのことである。我々は非常事態宣言中でも食品を買わなければならない。今回の騒動で中心部はすっかり人影がなくなったが、スーパーは郊外に行くほど混んでいて、さらに戸口を開放した昔ながらの八百屋では、いつも以上に混んでいた。屋内であれば家族の咳でも気になるが、屋外となると格別の安心感がある。

今回のように人が集まる場所や公共施設を閉鎖しなければならないような場合、公園や公共施設の敷地内の屋外部分を、マーケットとして開放するシステムがあればいいと思う。出荷先を失う生産者や、経営にダメージを受ける都心部の食料品店、飲食店などが臨時テントで販売を行うのである。北海道大停電の折には、いくつかの飲食店が、仕入れていたものを使った簡単なメニューを、店の前に販売台を作って売っていたが、非常時とはいえちょっとイベント感があって楽しかった。

コロナだろうとなんだろうと、食べなければならないし、経済は回さなければならない。また、こういうことは非常時だけでなく、定期開催しておけば、いざというときもスムーズに開催できる。さらにニューヨーク・グリーンマーケットのように、一種の観光資源にもなるかもしれない。このつぎコロナが蔓延するとしたら、やはり冬だろう。屋外の販売も買い物も寒いだろうが、ニューヨークも冬はマイナス10度にもなる。暖かくて豪華なコートを買おう。厳寒の中の上質なコートは(体型も隠せるし)女性を美しく聡明に見せる。

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