パブリック・ドメイン

近年になって、ときどき音楽著作権に関する恐ろしい話を聞くようになった。例えば、長年細々と営業してきた、ジャズ喫茶や歌声喫茶、ダンス教室などに、ある日突然著作権協会が訪ねてきて、過去数年分の未払いの著作権料、数百万円を請求され、それが原因で店を畳むことになった。
学校などでの音楽には利用には著作権料が免除されているが、京大の入学式の祝辞で、ボブ・ディランの歌詞を引用し、それをHPにアップしたことを著作権侵害と言ってきた。また、音楽教室へも請求され、ヤマハなどが集団で訴訟を起こしている。

前々からそういう話を聞いていたので、バイオリンの練習にはなるべく古い名曲を選んできた。今さら人前で演奏する機会などないとは思うものの、そこはそれ、万一の場合を夢見て安全策をとったつもりだったが、甘かった。作者の死後50年間保護されるのだ。けっこう練習してきたテネシー・ワルツは、民謡だろうとタカをくくっていたら、作曲者のピィー・ウィー・キングは、86歳まで生きて2003年に亡くなっていた。なんと私は99歳まで長生きしないと、おおっぴらに弾けないのである。こんなのにあこがれていたんだが。

そこで、せっかく練習するのならと、著作権切れ(パブリック・ドメイン)の曲で有名な名曲や好きな曲をパブリック・ドメイン名曲集と銘打ってリストアップすることにした。また、パブリック・ドメインではないが、1年後、2年後というように目前に迫っている曲は、これから練習するのにうってつけなので、それも調べていこうと思う。少しずつ増やしていくつもりなので、お役に立てれば幸いである。

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3 thoughts on “パブリック・ドメイン

  • 7月 2, 2017 at 05:42
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    サムテーラーなどは日本の歌謡曲のほとんどすべてをテナーサックスでレコーディングしていますね。CDで販売しているところが著作権を支払っているのでしょうか。それともサムテーラー自身にも支払いが発生しているのでしょうか。それにしても著作権料問題が音楽を規制し過ぎては音楽本来の「音を楽しむ」のではなく「音が苦」ですね。著作権協会ってまるでZM署ですね。

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  • 7月 2, 2017 at 05:27
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    僕が買ったCDの白版,赤版のJAZZのスタンダード・ナンバーなどは?どうなんですか。有名プレイヤーたちが同じ曲を演奏していますよね。それにBMWのショールームなどで有線放送なのかJAZZが静かに流れています。JAZZを選んで流す側に著作権料が発生するのか?それとも有線放送側に発生するのか?なども心配ですね。高校生の夏休みに新宿のJAZZ喫茶のステージで聴いた「ワークソング」や「モーニン」や「ドライボーン」などの生演奏など今も心に残っていますが,あの頃は演奏者もJAZZ喫茶側も無罪だったのでしょうね。カラオケなども今では通信方式ですからチェック対象にもなりやすいかも知れませんね。以前,ラジオCMで有名歌手の歌を替え歌にしようと著作権協会を訪ねた事がありましたが,見事に引っかかりましたね。でもローカルCMでは平気でやらかしている場合が多いですよ。そこまでチェックの目が届かないのでしょうね。

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    • 7月 2, 2017 at 08:39
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      おおざっぱに言うと大抵の曲はアウトです。音楽を流しているところは、何らかの形で使用料を払っています。保護期間も、我々がうろ覚えで考えているよりずっと長く、しかも期間延長されてます。規則の適用の仕方も複雑で、法律に詳しい人でないと自信を持ってこの曲はクリアと断言できないのではないでしょうか。近年CMのBGMに昔の有名曲を使う場合、そっくりさんが歌う例が増えてます。また、歌なしで新たに演奏した場合でも、知ってる曲だが、何となく歯切れが悪いなと思って聞き返したら、なんと目立たない場所の音符を抜いた、「別の曲」だったこともあります。何小節が同じならアウトというルールがあるので、それ以内でBGMがフェードアウトするCMもありました。けっこう大企業のCMでそんなことをやってますから、いったいどれほど高額になるんだろうと思います。この話は続ける予定です。

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