旅行や会合の予定を立てる時、現在のコロナ新規感染者数を調べてみる人は多いだろう。とりわけ今後増えるかどうかは、予定がなくても気になるところだ。特に東京の感染数は、ここが増大すれば数日後には日本中で増え始めるので、地元のデータに加えてチェックしていた。が、最近この数字があてにならないような気がする。自己判断して検査を受けずに済ませてしまう人が増えたのではないだろうか。
そんな社会のムードに流されず、また、医療現場の負担を増やさずに地域の感染状況を客観的に判断できるデータとして、下水サーベイランスが注目されている。感染者は自覚症状の有無に関わらず糞便などからウィルスのRNAを放出してしまうので、下水中のRNA数を計測して地域の感染具合の指標とする方法である。これは海外では数年前から行われていたが、日本では5月に協会が発足したばかりの新しい手法である。
実際の取組は始まったばかりらしい”が、札幌市では今年の1月からデータを公開している。これを見ると現在は、減少傾向から横ばいに転じたが、なお高い水準にあるそうだ。ちなみに検査をするからと言って、下水からコロナに感染することはなく、あくまで地域の感染状況が見えるということだそうだ。