刺又(さすまた)

江戸町方十手術の話をしたついでだが,最近防犯用として「さすまた」が販売されているが,江戸時代の捕物で使われた本物に比べると,随分危険なものになってしまったと思う.江戸時代がではなく,現代のが危険なのだ.
sasumata見て分かるように,江戸時代の捕物に使われた刺又などには,棘がついている.一見こちらのほうが危険物のような気がするが,なにもない棒を二人で掴んだら,体重が重く力のあるほうが奪い取ってしまう.刺又のように先端が広がったものならなおさら,モーメントが働くので,柄だけ握ってる側は,簡単にねじりとられてしまう.
もしそうなったら棒は怖い.軽く振り回しても,長い分遠心力が働き,当たったときのダメージが大きい.真剣と渡り合っても余裕で勝てるような武器を,相手に渡してしまうことになる.現代のさすまたは,そうなってもおかしくない危険性をはらんでいる.それに比べて江戸時代の刺又は手を痛めてしまうので握れないようになっているし,恐ろしげな見た目で威嚇し,無傷で鎮圧することができるかもしれない.棘の部分で叩きのめすわけではないのだ.
現代のものは二股の部分で相手の胴を挟むつもりらしく,いちだんとモーメントが効きやすく,ねじり取りやすい形になっている.それに対して刺又は,股の部分が狭いので,胴を挟むものとは思えない.おそらく全く違う使い方をする道具なのだろう.その使い方を会得して,初めて役に立つ道具なのだ.PCでも自動車でもそうだが,世の中に高性能な道具というものはない.上手に使いこなす人がいるだけだ.

次回「年末スペシャル 鬱なサイト集」(12/22)公開予定 乞うご期待!

7 thoughts on “刺又(さすまた)

  • 12月 20, 2016 at 16:15
    Permalink

    アレルギーで痒くなったり?電磁波でしびれたり?急にハイになって笑いだしたり?ヘリウムガスで赤ちゃん声になったりですか?

    Reply
  • 12月 19, 2016 at 09:25
    Permalink

    スパイダーマンのクモの網状の粘液が固まった後は、翌日にならないと 溶剤が効かないなんてことに成れば悪事も減るでしょう。逆用されたら大変ですが。

    Reply
  • 12月 18, 2016 at 15:39
    Permalink

    あっ?催涙水で目がやられたら光は見えないですね。他のアイディアは、捕物だけに、トリモチ作戦もいいですね。足元が不自由に成れば刃物などから危険回避出来ます。火炎瓶ならぬ、トリモチ瓶が炸裂すると空気に触れて固まる方式。

    Reply
  • 12月 18, 2016 at 14:09
    Permalink

    威嚇するために本物の拳銃と見分けつかないのがいいですね。音も電子音で出たり銃口が光ったりしてもいいですね。犯人も想定外のビックリぽんです。

    Reply
  • 12月 18, 2016 at 12:06
    Permalink

    催涙水鉄砲って、なかなかいいですね。

    Reply
  • 12月 18, 2016 at 10:25
    Permalink

    江戸時代の道具より進歩どころか後退しているなんて?。現代版捕り物なら、血を流す拳銃などやめて、強力な圧搾空気銃か、催涙水鉄砲かなんかの方が、お互いに安全かも知れませんね。

    Reply

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です