七五三は、3歳、5歳、7歳の子供の成長を祝い、これからの豊かな人生を願う行事である。自分がやらなかったので、あまり印象はなかったのだが、先日なにげなく千歳飴の袋を見て意外なことに気がついた。子供向けの絵柄だろうと思っていたが、実は翁(おきな)と媼(おうな)の絵、能の演目である「高砂」のジジババの絵だった。
高砂といえば、今はやらなくなったが昔は結婚式で必ず歌われていた。そう考えるとかつての日本人は、七五三から結婚式まで、高砂でその長寿を祈られていたのである。だとしたら、つつがなくジジババになれたら、その旨を神様に報告する儀式があってもいいだろう。そこで75歳3カ月になったら、長寿祝いの七五三詣でをするのはどうだろう。喜寿、古希などの家での祝い事とは別に、神前に詣でて、お祓いを受けるのである。その際、なにか象徴的な儀式もほしいので川柳を一句詠んで奉納するというのもいいかもしれない。この際、なかなか着る機会のない紋付き袴や留袖を着るのもいい。また、千歳飴を持ってないと様にならないが、中身は酒がいいだろう。