月の砂とスーツポート / アルテミス計画

月面へ降り立ったアポロ飛行士たちが最も「怖かった」のは、月の砂=レゴリスだという。レゴリスは隕石などが月に衝突したときにできた破片だが、空気がないため月の誕生時代から全く風化されていない。映像などでは無害な粉塵のように見えるが、顕微鏡レベルでは無数の尖った角を持ったガラス片のような形をしている。アスベスト粉末のようなもので、宇宙服をすり減らしたり、ジョイント部分から入り込んで装置を故障させる。静電気を帯びてあらゆるものにまとわりつく。もちろん吸い込めば人体に悪影響がある。

月面での居住に挑むアルテミス計画では、レゴリス対策が大きな課題となる。レゴリスは月のあらゆる場所を覆っていて、写真では黒い岩が露出しているように見える場所も、その表面はレゴリスに覆われている。ナノミリメーターという微小サイズのものもあり、高性能なフィルターを設置してもそれに頼り切ることはできないので、入り込ませない対策が重要になる。その一例がスーツポートだ。

宇宙飛行士たちの月面での屋外活動は、映画などで見る「エアロック」は使わない。宇宙服は居住設備の外側に据え付けてあり、背中の部分がハッチになっている。人間は屋内でこのハッチを開き、宇宙服に潜り込むように着込んで、ハッチを閉じて外出する。この仕組みが「スーツポート」だ。外壁に宇宙服が何着もついた建物というのは面白い眺めだろうと、「スーツポート」で画像検索をかけてみたが、1枚も出てこなかった。まだ設計途中なのかも知れない。

4 thoughts on “月の砂とスーツポート / アルテミス計画

  • 3月 2, 2026 at 06:26
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    随分昔ですがカメラに凝って望遠レンズで月を見た時にあの表面の無数のクレーターの意味が分からなかったのですが、今考えれば隕石などが激突して出来ていた訳ですね。その度にレゴリスが出来て、何と月面の有るところではその層が10m以上の所まで堆積しているそうですね。しかし人類が住める環境整備にするためにはレゴリスを利用する計画らしいですね。つまりレゴリスは貴重な月の独特な資源として建築材料等に利用できる可能性が大だと分かったようですね。邪魔者と思って居たレゴリスが建築資材になるとなれば、願ったり叶ったりですね。

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    • 3月 2, 2026 at 08:46
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      生まれてから長い年月が経っているのに、いつまでたってもトゲトゲしいまま。そんなものでも、役に立つことがあるというのは、希望がありますね。レゴリスのことです、人間ではなく。

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  • 3月 1, 2026 at 08:21
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    レゴリスなるものは初めて知りましたが、あの昔見た初めての月面着陸時にも存在していたのでしょうが、何事も無かったのでしょうか?。微粒子状なら体内に吸い込めば大変な事になりそうですね。活動スーツ着用にも大変なようですね。

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    • 3月 1, 2026 at 09:12
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      月面のすべての場所に何億年も前からあるそうです。アポロは、あることが分かっていて行ったのか、行ってから知ったのかは興味のあるところですね。「人類の偉大な一歩」の写真も、危険物質を踏みつけてできた足跡だと思うと、見え方も違ってきますね。そんな場所ですから、タカラトミーの「SORA-Q」がちゃんと動き回ったのは画期的だったのだと思います。

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