楽器家紋 「三ツ歌口」

蝦夷家紋の記事を公開したところ、楽器の家紋はどうだろうかというコメントをいただいた。その際、トランペットは家紋化しにくいとのことだったので、工夫してみたのが今回の「三ツ歌口」である。

ご覧の通りモチーフはマウスピース(歌口)である。金管楽器のマウスピースは皆こんな形なので、トランペットだけとは言えないが、某有名楽器メーカーをちょっと意識して3本を組み合わせ、楽器家紋らしさを狙ってみた。

家紋というと一家、一族ごとに厳密に決められ、公式の場で使われてきたものという印象があるが、一方昔も自分の家紋を知らない人は多かったし、他人の紋付きを借りて祝言をあげたという人もいた。厳粛なものもお気楽なものも、家紋に共通するのはどれも意匠が凝っていて、ポンと家紋が入っただけで衣服や調度が引き締まって見えるという点である。また、家紋を身につけていれば、どこのだれであるかアピールしながら歩いてるようなもので、自ずと無責任な行動はとれない。現代のようにプライバシー尊重や匿名志向が常識な社会では、己が何者であるかを積極的に公開する機会があってもよいと思う。

伝統的なものだけでなく、身につけた人間の生まれ育った風土や専門分野、趣味をモチーフにした家紋、時代性を盛り込んだ家紋があったら楽しい。それが家紋という日本独自の文化の拡大発展につながるようなら、なお面白いと思う。

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