5月5日はこどもの日.OLDでBADでも,BOYなんだからお祝いしてもらいたいものだ.
こどもの日は,昔は端午の節句と言った.紀元前3世紀,中国の楚の国の大臣,屈原が川に身投げしたことを悲しんで始まった行事である.有能で剛直な政治家だった屈原は,王に正しい換言をしたためにかえって疎まれ,左遷された.そして国の将来を憂いて川に身を投げたが,その人柄を慕う国民は,屈原の体が魚に食われぬよう,粽(ちまき)を投げ込んだ.日本では主に関西の風習だが,端午の節句に粽を備えるようになった由来である.だがここまでは,こどもとは関係がない.
端午の節句には,気候が暖かくなり中毒などをおこしやすくなる時期ということから,殺菌作用のある菖蒲(しょうぶ)の葉を飾った.その菖蒲が尚武(武芸や武勇を重んじること)に繋がることから,甲冑などを飾って男の子の成長のお祝いをするようになったという.
https://www.youtube.com/watch?v=snrkIjNmm1o
端午ということで,ヴァイオリンでタンゴの名曲を演奏した動画を探してみた.若いころは,タンゴは感傷的すぎて,もっとクールな音楽のほうが好きだったが,今聞くと心に沁みるものがある.
ちなみに江戸時代には,自分は半人前ですという意味で,「まだまだ屈原でございます」という言い方があったそうだ.これは屈原の有名な詩「漁父辞」の冒頭が,「屈原既に放たれ(はなたれ)」(屈原は左遷されてしまった)だったので,鼻たれとひっかけたのである.昔の人は教養があったものだと感心するが,ともあれ「鼻たれ」が出てきて,ようやくこの話もこどもの日とつながった.
タンゴの節句にタンゴを聞かせていただきました。昔、昔、大阪のホールで、バンドネオンの本物のアルゼンチン・タンゴを聞いて以来、忘れていました。キレのいいリズムのタンゴはいいですね。両親が長男の兄の為に買ったであろう、小さな兜と刀賭けに飾られた小さな刀剣を戦災下の東京から田舎まで大切に持って来たらしく、5月に飾ってくれた事。お隣のお風呂を貰い湯した時に香りのいい菖蒲が浮かんでいた事を思い出しました。さすがに我が家に鯉のぼりはありませんでした。ちまきも父の手作りでしたね。買ったものは一つもありません。菖蒲もすぐ近くの田んぼの畔に有りましたし、ちまきの笹も家の前の山にありました。もちろん農協ストア以外、小さな駄菓子屋が一軒あるのみで、当時はスーパー・マーケットなど無い時代ですから買おうにも買えませんでしたけどね。自給自足の田舎暮らしでした。